マイリー さんの感想・評価
3.4
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
壮絶な村八分…ネロはある意味自殺。私だったらアロアのお父さんの財布を持ち逃げする
とんでもない作品ですよ。村の権力者であるアロアの父に嫌われたネロに村人達は仕事を頼まなくなりネロは失職…食べる物にも困る極貧の生活に。
そして間の悪いことに村の生命線である風車小屋が火事になり全焼。その犯人がネロってことにされてしまう…
ハンスっていうアロアのお父さんの腰巾着が証拠もないのに「ネロが犯人だ!」と放火魔にしたてあげます(こいつは自分のミスは全てネロに責任なすりつけ)アロアの父親もネロを絵ばかり書いている怠け者と思っており自分の娘と仲良くしてるのが気に食わないのでネロが犯人と決めつけます。そのせいで村で完全孤立。権力者のアロアの父に睨まれたくない村人達から村八分にあいます(´・ω・`)
とうとう家賃も払えなくなりネロは絵のコンクール結果だけを生きる希望にしていたがコンクール落選。
家を出て寒空の中を歩くネロはアロアの父親の全財産が入った財布を雪の中で見つけます。
それを持ち逃げせずにアロアの家にちゃんと届けるネロ…私は心の中で思いました。「ネロ!それを持って走って逃げろ!」と(´・ω・`)
だってネロが失職したのはアロアの父親のせいなのに…
アロアの家に着いた時犬のパトラッシュを預けますがパトラッシュはネロの後を追いかけて家を飛び出します…
そしてあの有名な教会のシーンに繋がるわけです。
私は結局のところ、これはネロの自殺に近いと思ってます。確かにネロは放火魔に仕立て上げられ仕事を失い食べていくことも出来ない状態になっていた。
でも実は木こりのミッシェルは以前からネロを気にかけておりお爺さんが亡くなった後にネロを引き取ろうとしていた。でもネロは絵のコンクールの発表があるまで待ってほしいと。だからミッシェルおじさんはコンクール発表の次の日にネロを迎えに来る予定だったんですね。でもコンクール発表日にネロは家を出て教会に行き死にました…
翌日に木こりのミッシェルが迎えに来る事を知ってたのに…
やっぱりこれらの事を考えるとネロの行動は自殺としか思えません。お爺さんが死んでネロは絶望しており唯一の心の支えが絵のコンクールで入賞することでした。でも結果は落選でぽっきり心の支えが折れてしまった。そして生きるのに絶望したネロは最後に見たかったルーベンスの絵を見て天に召されるわけです。
でもネロの選択を責められない。いつもネロを見下して冷たくするハンス、権力者なのに自分の影響力を考えないアロアの父親、牛乳運びの仕事を頼まなければネロが死ぬしかないと分かってるのにネロを失職させた村人達は冷たすぎる。全員でネロを見殺しにしたんです。周りの大人達がクソすぎたのでコンクールに落ちたネロは全てに絶望してあの結果に至った。
とにかくフランダースの犬って8歳の孤児を大して証拠もないのに放火犯と決めつけて村八分にして失職させ見殺しにする物語なんです。
後味悪すぎ。もう2度と観ません。