芝生まじりの丘 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
異形の導入
【最終的感想】
{netabare}死によって人間は完成する、という考えがある。それで言えば1話における完成とその余韻だけで構築されたようなアニメ。
そういう意味ではOPの絵はアクアらをメインにするよりむしろMVのようなアイメインの作りにするべきではなかっただろうか{/netabare}
体験として新規性はあった。
ただ、正直なところ2話以降は凡作。
物語を動かすために一つ必要な要素として、多分「登場人物の立場・関係性の変化」がある。
そして、その変化が物語の始まりのきっかけとして描かれる場合が多い。
始まりの例として次のようなものがある。
・ロミオは敵の家の娘と恋に落ちてしまう。
・典型的な少女漫画では主人公の少女が最終的に結ばれる男と何か中立でない関係が結ばれる
・落ちこぼれが強い力を得て、周囲より優れた存在になる
・元いた組織を追放される
・特別な組織に加入する
この作品は主人公の立場、アイとの間の関係性の変化が1話の間でその変化が{netabare}1話だけで3回あった。
・ファンとアイドル
↓変化
・医者と患者
↓変化
・子供と母親
↓変化
・仇を探す復讐者と死者
こうした主人公の立場、関係性の変化の多さが1話の衝撃を作りあげている。
{/netabare}
一方で2話以降は学園x役者の卵の生活という枠に収まり、主人公の動機や周りとの関係性の変化が乏しい。
【1話時点での感想】
30分かけて前振りをする作品はあるけど前振りで90分かけて4回転半クアドアクセルを決めるのはなかなか珍しいのではなかろうか。
作品としての好悪で言えばそんなに好きではないが少なくとも頭の悪い作品というわけではなさそう。ただ漫画作品だしいい加減に学園ライフという安定空間の磁場に飲み込まれていくのではと憶測される。
最近思うのだがエンタメの中庸として重要なことの一つにブラックな側面と明るい側面をうまく両方盛り込むことというのがあるのだと思う。なぜなら現実というのもやはり両方の側面を持つからであり、どちらかしか持たない作品は現実感を感じさせず、物語として説得力を持たないから。