Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
この魔法は、きっと、あなたの笑顔のために。
この作品の原作は未読ですが、私にとって「視聴する」選択肢しかありえない作品でした。
まず、キャラデザがムッチャ私好み…
加えて声優陣が最高と来たら、もう視聴するしかないでしょう。
主人公のアニスを演じるのは千本木さん…
千本木さんの実力は、これまで演じてこられた作品を見たら一目瞭然です。
そしてもう一人の主人公であるユフィを演じるのは、まなてぃ、こと石見舞菜香さん。
同時期に放送されていた「お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件」で椎名真昼を演じていらっしゃいましたよね。
その他にも、くまちゃんや「その着せ替え人形は恋をする」の心寿ちゃんを演じた羊宮さんも出演するんです。
私にとって、耳が幸せになる作品でした。
パレッティア王国王女、アニスフィア・ウィン・パレッティアには前世の記憶がある。
魔法が当たり前に存在する世界に転生し、魔法使いに憧れるアニスフィアが夢見たのは、
魔法で空を飛ぶという、破天荒で非常識なことだった。
けれど、なぜか魔法が使えないアニスフィアは日夜、
キテレツ王女とあだ名されながら、怪しげな研究に明け暮れるはめに。
ある夜、お手製魔女箒で空へ飛び立ったアニスフィア。
暴走する箒が飛び込んだのは、貴族学院の夜会。
そこでは、魔法の天才と噂される完璧公爵令嬢ユフィリアが、
アニスフィアの弟・アルガルド王子から婚約破棄を宣言されているところだった。
声もなく流されるユフィリアの涙を見たアニスフィアはそっと手を差し伸べる。
――この魔法はあなたの笑顔のために。
2人の少女が未来を切り開く、「転生×天才」魔法ファンタジー!
公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。
まず主人公である「アニス」の設定が秀逸だと思いました。
王家に生まれながら魔法の適正を持たず、それでも魔法への情熱を諦めきれず、独学で魔学という新たな技術体系を確立するんです。
加えて前世の記憶持ちなので、現在の文明の一部を魔法を用いて再現しているんです。
だから彼女の身の回りには今の私たちにとっては見慣れているモノでも、異形のモノとして目に映るのでしょう。
周囲からキテレツ王女呼ばわりされていましたから…
「魔法は誰かを笑顔にするためにあるんだよ…」
アニス王女の根源とも言えるこの台詞が大好きでした。
簡単に言える台詞ではありません。
王女が魔法を使えないなんて前代未聞…
さらに精霊の力を使わない魔学に対する周囲の貴族からの風当たりは強く、それでも、アニスには魔学に縋るしか術はないんです。
いつも周りを明るい気分にさせてくれる屈託の無い笑顔は、沢山の涙、血の滲むような努力と魔法に対する憧れが下支えしていたのだと思います。
そしてそれこそが、彼女を王女たらしめる所以…
ですが、この作品はこんなアニス一辺倒の物語ではありません。
侯爵令嬢であるユフィとの接点が生まれてから、この物語…アニスとユフィの人生が大きく変わることとなるのです。
一方、ユフィには持って生まれた天賦の魔法の才能がありました。
加えて努力を怠らない勤勉さも持ち合わせており、誰もが羨む存在だったと思います。
きっと少なからずアニスだってそんな感情を持ち合わせていたのではないでしょうか。
自分の本分を全うする…
口にするのは易しいですが、実際に実践するのはとても難しいことだと思います。
そして時に本分は変化することだってあることをこの作品では教えてくれています。
その自分の本分に対してどう向き合うのか…
「本分」が気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
千本木さんとまなてぃの演技も相まって、私には涙無しには見れない作品でした。
オープニングテーマは、花たんさんによる「アルカンシェル」
エンディングテーマは、アニス(千本木さん)、ユフィ(まなてぃ)による「Only for you」
どちらも通勤中にヘビロテして聴くほど好みの楽曲でした。
1クール全12話の物語でした。
アニスとユフィの数奇な運命が主軸となっていたからか、アニスの前世の記憶持ちの設定はあまり出てこなかった気がします。
きっとこれから推し進める改革に大きく関わってくるのでしょうけれど、ここで物語を切る構成は悪く無いと思いました。
まぁ、続編が制作されたら絶対見ますけどね^^
しっかり堪能させて頂きました。