Witch さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
暁なつめ先生の「引き出しのなさ」と「最低限の笑いは押さえている」を如実に表わした作品
【レビューNo.52】(初回登録:2023/4/23)
コミック原作で2019年作品。全12話
(「暁なつめ」原作/「まったくモー助・夢唄」作画)
これも昨年ABEMA一気見放送してたのがきっかけですね。
今期「爆焔」は「クズマさん」の存在がレビューの大きなテーマになるかなっと思い、
その辺りが如実に表れている本作が比較的レビューしやすいのかなっと。
(ストーリー)
最強覆面レスラー「ケモナーマスク」こと「柴田源蔵」の夢は「大好きなケモノに囲まれ
てペットショップを経営する」ことだった。
そんな彼は、宿敵「MAO」との世界タイトルマッチの最中に異世界に召喚されてしまう。
彼を召喚したアルテナ姫の目的は「魔王と邪悪なる魔獣の退治」。
「魔獣だってケモノの仲間」 →彼がとった驚くべき行動とは・・・
(評 価)
ネタバレになるが、以降のレビューのためにストーリーを補足しておくと(完全ネタバレ)
{netabare}・魔獣退治を拒否した源蔵は、狼獣人の少女「シグレ」を救い最初の仲間に
・魔獣を殺さない「魔獣ハンター」として資金をためたり、魔獣を集め飼育したりして
、夢のペットショップの開業準備を始めるも芳しくなく。
・そのうち大食いドラゴン娘の「花子」を拾い、その従者「カーミラ」も住みつき主要
キャラが出そろう。
・源蔵の強さを聞きつけ弟子入り騒動やペット盗難未遂等なんやかんやしつつ、源蔵の
プロレス技に眼をつけた、銀行担当者クラウスが「プロレス興行」を提案
→ 第1回興行成功(だがいろいろやらかして源蔵たちの資金集めは失敗)
・以降ドラゴン族の権力争いやMOAも新たにこの世界の召喚される。これら全てに
決着をつけるべく、第2回プロレス興行を敢行。最後に源蔵×MAOの因縁のカード。{/netabare}
・暁なつめ先生の「引き出しのなさ」と「最低限の笑いは押さえている」を実感
・「このすば」は奇跡の産物
暁なつめ先生原作のアニメ作品としては、
「このすば」→「戦闘員、派遣します!」→「本作」→「爆焔」
という順番で視聴したのだが、(爆焔は毛色が違うが)基本「お下品でゲスいギャグ
展開」しか「引き出しがない」というのが個人的な印象ですね。
・これを「クズマさん」と「駄女神アクア」という一線を越えた(向こう側の)ゲス
&ポンコツキャラに他の2人を上手く組み合わせ、徹底的に弾けてハマったのが
「このすば」
・(こっち側の)キャラだけで下手にストーリー性も入れて、中途半端に終わったのが
「戦闘員」や「本作」って感じなんですよね。
なので「所詮は『このすば』の劣化版」というのが本作の評価になりますかね。
たださすがに最低限の笑いのツボは押さえているので、作品としてはそこそこ楽しめる
レベルを維持してるとは思います。
(だから「爆焔」は「めぐみんを愛でる派」にはウケても、「このすばの延長派」には
物足りないという感じで評価が割れるだろうなっと)
・やっぱりキャラが弱い
なので上述の補足ですが、本作の主要キャラを分析すると
{netabare}・源蔵:ケモノ好きの変態ではあるが、ゲスさ等が中途半端
・シグレ:しっかり者の常識人でギャグ要員には不向き(ツッコミ役)
・花子:ドラゴンの有力者らしいが素性を隠しているため、普段は大食いキャラだけで
「なつめギャグ要員」としては使えない
・カーミラ:花子の従者。大酒飲みで源蔵との折り合いも悪く、貴重な「なつめギャグ
要員」だが、こちら側のためパワー不足。
って感じで、結局「なつめギャグ」を活かせる突き抜けたキャラがいないんだよね。
で、サブキャラもちょっと面白いキャラはいるが、通常のギャグ要員で色が出ない。
(唯一「アルテナ姫」→「尻姫」としてその路線を継ぐ感じはあるが、やはり弱い)
「なつめギャグ」が小出しになってる感じで、爆発力が全然足りてないんですよね。{/netabare}
・プロレスの魅力もイマイチ
・この作品のもう一つの弱点は、見せ場であるはずの「プロレスシーン」にあまり魅力
がないところですね。作画の「まったくモー助・夢唄」先生も「プロレスが好きだか
ら、この題材で画いている」って感じじゃないんだろうなっと。
・(これは作画先生のせいではないが)最後のメインイベントも、止め画のオンパレー
ドで興を削がれたって感じだし。
・個人的には試合よりも、やり手のクラウスと「異世界でプロレスを『興行』として」
イチから立ち上げていく様の方が面白かったという印象ですね。
(まあストーリーを追う分には、試合も最低限の形にはなっているかなってレベル
ですかね)
作品としては、頭を空っぽにして気軽にコメディを楽しむ分には、最低限の面白さは確保
されている感があるので問題ないかなっと。何というか
「毒気を抜いた『暁なつめ』作品を楽しむ」
って感じですかね。
やはり「このすば」は、「クズマさん」「駄女神アクア」という突き抜けたキャラに他の
2人を加えたパーティーが「奇跡の産物」だったと改めて実感した次第ですね。
本作も決して悪くはないんですが・・・
あと個人的には、作品よりもED「アネクドット/ももすももす」に心惹かれたところが
あり、今でも定期的にYOUTUBEの「ももすももす」で心癒されてる感じですねw