てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ゼーガペインめいた野崎まどSFのラブコメ映画。ギミックは素晴らしいが、ドラマはそこそこ
野崎まど脚本のSFラブコメ映画。京都?が舞台。
「ゼーガペイン」とか「ソードアートオンライン・アリシゼーション編」みたいなSF要素が見所か。
※作品データベース様より転載
【良い点】
野崎まど氏らしい、凝ったSF設定。
主人公・堅書直実(かたがきなおみ)とヒロイン・一行瑠璃(いちぎょうるり)の住む京都が実はゼーガペインの舞浜サーバー状態だった!とか、堅書に助言してくれる先生は現実世界のオリジナル堅書だった…と思いきや真の狙いは…!?云々の、量子コンピューターやら仮想世界アルタラやら、とにかく凝った設定と、それを活かした驚きの展開を見せてくれる。
前半は割と王道なラブコメで、とっつき難いヒロイン・一行さんが(先生の助言込みとはいえ)次第にデレて仲良くなっていく過程が微笑ましい。
ふたりとも奥手で敬語なのも良い雰囲気。
どちらも本好きで本を通しての青春恋愛物として普通に良かった。
一行さんが可愛い。ガードが堅いように見えて実は誠実に接していればそこまで攻略難度高くない感じ。
終盤からラスト怒涛の展開。
かなり強引な気はするが、全方位ハッピーエンドに収めたのは後味が良かった。
入れ子箱のような世界観で上位次元一行さん?に先生が救われる…ややこしいが、なるほど、良い話だなと納得した。
声優陣は下手ではあるが、 浜辺美波氏は一行さんの堅いキャラには合っていた。
【悪い点】
初っ端から舞台がサーバー内だと明かしている為か、凝った設定の割にはあまり意外性が無い。
普通、自分の世界や存在がデータに過ぎないと分かったら激しく葛藤するような?
(ゼーガペインだと徐々に違和感が高じて驚愕の真相!となるが、本作は尺が足りないためやむを得ないか)
リアル世界出身?の先生の裏切り、真の狙いは驚きではあったが、視聴者のメタ視点では(まあそれもアリかもな)と思えてしまう。
そこからの展開が釘宮カラスによるデウスエクスマキナ気味で受動的。
堅書にとっては裏切った先生は全能の神で、一行さん取り返すには神と神の世界に抗うに等しい絶望感があるはず、そこであっさりご都合助っ人登場で葛藤が少ないのは盛り上がらない。
アイドル的な可愛い子の存在意義があまり無い。
真相が分かりづらい。
実は先生もまた…とか、カラスの正体は…とか、映画だけの初見では分からなかった。
【総合評価】6~5点
SFとしてはかなり良くできていて見応えがあった。
ラブコメとしては驚きの世界観ありきな感じで、まぁまぁ止まり。
評価は「良い」
1クールアニメで見たかった、勿体ない。