STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
2期ものだが、主人公のフシに関して、1期序盤では本能のままに動く動物のような存在
だったのが、次第に知性が身に付いて、他者と交流を持てるようになっていったが、本作では更に
成長して、色々と考えることが増えたような印象。
ただ感受性などは相変わらず少年のそれといった感じで、この辺は標準的姿が少年であることに
関係あるのかな。
1期においてはフシと出会った人々との関係性が話の主軸で、ノッカーはフシや他のキャラの
状況を動かすためのアクセント的存在という印象だったが、1期終盤のジャナンダ島編あたりから
フシや人間とノッカーとの戦いそのものがストーリーの主軸になっていった感があり、本作では
それが顕著になったよう。
ヒサメやカハクらが率いる守護団やボンシェン・ニコリ・ラ・テイスティピーチ=ウラリスが
フシに好意的だったり、逆にベネット教はフシを悪魔扱いしたりとスタンスこそ正反対だが、
いずれも対ノッカーという前提を踏まえてのものだったりする。
そのノッカーとの戦いとの集大成とも言えそうなのが、後半の王都レンリルの攻防戦で、
ノッカーの猛攻により、絶望的状況に追い込まれた後の逆転劇はカタルシスを得るのに相応しい
内容。
ここではマーチ、グーグー、トナリといった、かってのフシの仲間たちが復活して活躍。
こういった過去に登場したキャラが再登場して主人公を助ける展開はベタではあるが、やはり
盛り上がる。
そういう点では1期に較べて、バトルものの要素は強まった感じ。
ここではフシは特定条件があるとは言え、死者を蘇生させることもできりようになり、ますます
人間離れした存在に。
戦いの後で全世界に根を伸ばして、全ての人を守ろうとする行動などを見ていると、神に
なろうとしているように思えてしまう。
最終話でキャラ達のその後が描かれるが、もう生き返ることはなくても、ED映像のように
死後に皆と再会できることを知っていると、死をそれほど恐ることはなさそう。
そういう点では、フシの行為は現実世界において、死後の世界での幸福を語ることで現世の
不安を取り除く宗教に通じるものがあるような。
2023/04/22