しゅりー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
夢に思い悩む二人の夏
2015年8月末に劇場公開されましたが、OVAの括りの作品です。
前半後半で話の分かれたTVアニメ2話分程度の感覚で視聴できます。
「第1部 芽-きざし-」にて高校3年生になった楓たちが
将来に思いを馳せる夏のひとときが描かれている作品です。
「第2部 響-ひびき-」は第1部ではまだふわふわしていた
進路の悩みが時間経過で現実感を持ったものへ
変わったことが描かれます。
楓たち4人の中でも夢や好きな物が
元々はっきりしているように見えた
のりえとかおるの2人にスポットライトを当て、
のりえの自信のなさやかおるの迷いから物語を描く構成が
印象的かつわかりやすくて素晴らしいです。
夏という季節の賑やかさの中に上記のような
高校3年生の焦燥感が加わることで
夕暮れのような寂しさを感じるアニメでした。
そうした悩めるキャラクターを支える意味で
さよみお姉さん役の大原さやかさんの語りかける演技や
のりえのお兄さん役の前野智昭さんのセリフが印象的です。
卒業写真4作はわかりやすく起承転結ができているように感じますので
将来への夢の広がりと夢に臨むための不安を感じられる
良い発展の物語ではないかとおススメします。
さて、この作品について語る上でどうしても避けては通れないと思い
タイプが進まなかったことを以下に少し記載させてください。
私にとってこの「第2部 響-ひびき-」はお好み焼き屋ほぼろさんこと
八色ちもさん役の松来未祐さんの演技を最後にお聴きした作品です。
たまゆら本編では結婚して幸せな明日を描かれたちもさんですが
もうそのお声を新たに聴くことはできないことが今でも本当に寂しいです。
それでも松来さんの存在は色々なアニメによって
多くの方の心に生きていると思っています。
私は学校や絵画のキャンパス、蒼い空、
そして広島のお好み焼きなどと松来さんの思い出が
紐づいていてこれからもずっと忘れないと思います。
後ろ向きに思われたら申し訳ないのですが、
忘れず、度々思い出して語ることができれば
未来のどこかでそうした思いが繋がることもあると思うので
たまゆらを含む松来さんが参加された名作を今後も鑑賞していきたいです。