てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
個々のキャラやドラマは良いが全般的に要領を得ない、和風異世界ファンタジー
妖(あやかし)などと交流したりバトルする、和風異世界ファンタジー。
どちらかといえば女性向けか。
※作品データベース様より転載
【良い点】
江戸っぽい和風異世界で妖と人間との特殊な関係性や、天帝なる絶対者と天網(その世界の住人が逆らえぬ定め的な概念?)の存在、主人公だけが天網に拘束されぬ特別な存在云々の世界観や設定面の面白さ。
ありがちな和風異世界とは一線を画す不穏さやミステリアスさを感じさせ、興味深い。
登場人物も中々魅力的。
男子高校生の主人公・トキがメインヒロイン扱いで、友人のコン(男子で強い)らに守られる、BLとまではいかないが若干女性向けな気配。
主人公は無力なお人善しの理想主義者だが相手に真摯に接して心を開かせる説得力はある、乙女ゲー主人公の男子版な感じ。
ヒロインのツンデレ女剣士・朽葉も魅力的で、頑なに妖を敵視する姿勢がトキとの交流で心を開いていく流れは可愛いくヒロイン度高い。
その他人間も妖もキャラに深みがある。主要キャラ間の雰囲気も良い。
人間と妖との対立が話の軸、主人公が対立を解いていく個別のストーリーが良質。
シリアスや鬱展開はあれど、作風がさほど陰鬱ではなく見やすい。
声優陣が豪華。主題歌もEDが良曲。作画はまぁまぁ。
【悪い点】
肝心要の世界観や世界の秘密に関する話が一向に進まない。
この世界の命運握る主人公が無知な理想主義者のまま話が進み、複数の思惑が絡むストーリーに主人公(と視聴者)が蚊帳の外。
天帝とか天網とやらの実態がさっぱり見えてこない。
妖が極一部の人間以外に見えていない中で、両者の和解の前提条件さえ満たしていないと感じてしまう。
主人公のトキも間違いなく良い奴ではあるが、物語の主人公としては終始パッとしない。
ラストも消化不良で、結局どういう話だったのかよく分からず。
【総合評価】4点
世界観と登場人物の魅力の高さで個々の話は良かったけれど、全体を通して見ると、要領を得ないアニメ。
評価は迷うところ、良い寄りの「普通」で。
原作未読でWikipediaを見たところ、原作は実はSFで、壮大な設定があるっぽく、かなり面白そう。
残念ながらアニメではその片鱗が見えず、よく分からん異世界ファンタジーで終わってしまったのが惜しまれる。