ハニワピンコ さんの感想・評価
2.9
物語 : 2.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
アニメ戦国時代に江戸時代が殴り込んだけど見向きされなかった
アニメ作品として悪く言えばあるある、子供向け的な要素を多く持ちながら、幕末の日本の情勢や対外影響に、像面の鬼という設定を追加して新しい見解を示す歴史物としては結構好き
でも、夏クールのあまり大作や期待作が無い中でも、話題にならずに埋もれた理由はインパクトがなさすぎるからだと思う。江戸時代という舞台やチャンバラ繰り広げそうなキービジュからある程度視聴を渋る人が居る中で、手垢の着きまくった新撰組を題材にして、さらに数話見てもあまりインパクトのない平凡なストーリー。アニメ戦国時代をいくら幕末でも江戸時代アニメで立ち向かうのはちょっと厳しいかな
一番星の成長を咲耶が促すところは今まで歪みあっていた物同士が手を組む展開はベタだけど良いし、各キャラはいい奴で仲間として行動していく中で描かれる性格は面白いのだが、それはそうと元罪人という設定がほとんど死んで、何でこんな良い奴らが死刑になるくらいの極悪人という設定なんだ?とは思う。そこらへんの過去の深掘りが無いのは勿体無い
池田屋事件とか佐久間象山先生とか事実にあったような事を取り扱っていることもあるのだけれど、そこにあまりシナジーを感じないというか、象面の鬼という存在が史実の展開とあまり噛み合ってなくて異物感があって浮いてるように感じた。『るろうに剣心』の志々雄真実くらい裏の存在として実在の人物に絡んでいったりするみたいなのを、象面の鬼でもその暗躍を史実と組み合わせた面白い展開に出来なかったのかなーとは思った
最後に余談
なんでやたらと幕末で新撰組が題材とされることが多いのかというのはやはり、動乱期の反体制側の悲劇の英雄に感情が動かされる判官贔屓的考えがありがちだからだろうか。とは言ってももう出尽くしているし、個人的には幕末以上に人気の戦国時代を描く作品が出ないのは何故なのか疑問
パッと思いつくのは ある一人の武将に焦点を当てるとして隣国の関係 主従関係など色々と複雑 大規模戦を描く予算 オチの付け方が難しい と言った感じかな
でも信長とかは割と起承転結がハッキリしてラストも印象的だし、12話で片付けられそうだけど。『平家物語』は個人的にわざわざアニメでやる必要はなかったと思っているし、狙った海外でもそこまで跳ねているわけじゃない理由はアニメアニメしていないのもそうだけれど、結局盛者必衰の物語自体に需要がないからというのはあると思う。信長も最後は裏切られるが、緩々と堕ちていく様を描くより豪快な炎上で死ぬ様はそこまで空気を重くしなくて良いと思うけど
日本の史実を描く作品は実写の時代劇で良いと言われるかもしれないけれど、アニメだからこそを見たいし活路はあると思っているんだよなーといったお話でした。少なくともこの作品のような幕末チャンバラ×異質な新要素の90年代から続く似たような作品群ではないとは断言できる