「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(アニメ映画)」

総合得点
80.8
感想・評価
729
棚に入れた
4212
ランキング
439
★★★★★ 4.1 (729)
物語
4.4
作画
3.9
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

無毒蠍 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

想いでが懐かしいのは今があるから。想いでは想いでのままで…

クレヨンしんちゃん映画20周年記念の人気投票で見事一位に輝いたオトナ帝国の逆襲。
それを記念して公式が無料配信をしていたので久々に視聴してみました。

この作品を一番最初に視聴したのは劇場でしたね、
当時私はまだ中学生で友人と一緒に観たのを覚えています。
中学生ながらに何か感じるものもあり感動しました。

そして今回再度視聴したわけですが、
やはり感動してしまいますねw
劇中で語られている昭和の時代を私は知りません、
昭和最後の63年に生まれたのが私です。

そんな私が観ても懐かしさを感じ、
ある種の錯覚をおぼえるくらいに
昭和の世界観というのは独特の雰囲気をもっていますね。

昭和を生きてきた大人たちと現在を生きる子供たちとの戦い。
劇場版クレヨンしんちゃんの中でも異色作と言えるでしょう。

大人に関心をもってもらえない子供たちの寂しさというようなものも描写されており、
子供たちの視点で考えてみると少し怖く感じます。

春日部防衛隊も大活躍で本当に全員いいキャラしてますよね。

過去を経て現在を生きる者たちと
現在を捨て過去に縋る者たち。

過去を維持し子供たちに見せてやるのが大人の役目ではなく、
それを子供たちに語ってやるのが大人の役目ではないでしょうか?
今を生きる子供たちもきっとこの時代を懐かしいと感じる日がくると思うんです。
想い出が懐かしいと感じるのは今があるからなんですよね。
想いでは想いでのままでいいんですよ。
それを忘れて過去にとらわれてはいけません。
現在を捨てるということは未来を放棄するということなんだから。

野原ひろしの言葉には実にあたたかみがあります。
家族のいる幸せをお前にもわけてやりたい…

懐かしいと感じる昭和にはみさえもしんのすけもひまわりにシロもいない。
それは懐かしい以上に寂しいこと…
ひろしはそのことをちゃんと理解できてるのでしょう。

ひろしの靴の臭いw
昭和の懐かしさに魅了されていたひろし&みさえの正気を取り戻したのが、
ひろしの靴の臭いでした。
この時ひろしの過去の回想があるのですが泣けます…
ひろしの足が臭いのはなぜでしょうか?
それは過去から現在まで走り続けてきたからではないでしょうか。
彼はサラリーマンです、家族を養うために営業なんかで走りまわってるわけですよ。
言ってしまえば彼の足の臭いというのは野原ひろしという人間の集大成なんです。
それを否定することなんてできませんよね!
幼少のころ、ひろしは父親のこぐ自転車の後ろに乗り父親の背中をみていました。
そして今は自身が父親となり自転車をこぎ、しんのすけに背中をみせてあげているのです。

むかし懐かしき昭和という時代…
その魅力が忘れられないからと言って走ることをやめてしまってはだめなのです。
いまの大人たちが幼少のころ過ごした時代を楽しく懐かしい想い出としているように、
今の子供たちにも今過ごしているこの時代を楽しく懐かしい想い出にしてあげる…
それが今の大人たちの役目なのではないでしょうか?

この作品はクレヨンしんちゃんという枠で考えると少し尖りすぎかもしれませんが、
野原一家で描くからこそ意味のあったものなのかもしれませんね。

【A80点】

投稿 : 2012/04/13
閲覧 : 346
サンキュー:

6

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