テングタケ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
絵が奇麗
ジブリっぽい、自然の描写やそれと対照的なスチームパンク?な街並みがとても奇麗です。登場人物はすべて猫化されており、悪く言えば銀河鉄道の夜の2番煎じ、よく言えばファンタジー感を高めています。
ジブリっぽいと書きましたが、ジブリになりたくてしかたがない?ような感じです。突然出てくる魑魅魍魎とか。あとCVに本職を使わず俳優を起用するのもジブリの悪癖を踏襲しています。主役の小栗旬、抑え目の演技は決して悪くはありません。悪くはありませんが、ものすごく良いというわけでもなく、本職の声優だったらもっと盛り上げてくれたんだろうなあと思います。脇役にはどうも素人っぽい人たちもチラホラ。ナレーションは、エンドロールを見るまで常田富士男だと思い込んでいました。
ストーリーは多少アレンジがしてあって、なんか異次元猫みたいのが出てきます。そのせいで、妹は行方不明のままで、ちょっと可哀想です。ラストも、原作では火山に残って爆弾を爆発させる役を引き受けるはずが、異次元猫のスーパーパワーでなんか火山爆発させてます。これじゃ他人から見れば、偶然火山が噴火してブドリはただの行方不明です。劇中に挿入される「雨ニモマケズ」の「ミンナニ(中略)ホメラレモセズ」を意識した改変かもしれませんが、まあ改悪ですね。あと、「ヒドリ」は劇中の展開に合わせて「ヒデリ」で良かったんじゃないでしょうか?冒頭にその旨注釈を入れれば文句も出なかったでしょう。
全般的に悪く無い出来ではありましたが、ストーリーの変更が非現実に寄り過ぎて(テグス工場のところとかも)、童話なのに意外にも科学礼賛っぽかった原作をスポイルしているような。