「鬼滅の刃 遊郭編(TVアニメ動画)」

総合得点
81.2
感想・評価
516
棚に入れた
1901
ランキング
417
★★★★☆ 4.0 (516)
物語
3.9
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

ハニワピンコ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

鬼滅の戦闘の問題点

ついにやってきた、あの『無限列車編』の続編として描かれる鬼滅の刃シリーズ第2期に当たる『遊郭編』
新たな舞台となり進んでいく炭治郎達の物語は、正直無限列車のクオリティが高すぎたというか、強敵との対峙や柱の活躍、人と鬼との違いや差などの作品のキーを大体見せられた上でのあのクオリティだと思うので、シリーズを通してこの要素をどう味や見せ方を変えて描いてくるかという事に期待が掛かってくる

まぁ大体やっている事は同じで、上記した要素の新しい見せ方みたいなのは殆ど無くて、ただ対峙して討ち取る。そしてラストに鬼の悲しい過去

鬼滅の戦闘って、これは構成上の問題や描き方の問題で、無限列車のあの煉獄さんと猗窩座の戦闘を見た後に描かれる今回のバトルに感じた違いに気づいたのだけれど
そもそも映画自体一番盛り上がったのってそこの戦闘だと思う。強者vs強者で柱が死ぬという衝撃エピソードと言う見せ方ではあったけれど、その間にあった対話。鬼に勧誘する部分や、それに対する煉獄さんの返答。煉獄自身に鬼との違いやそこで得た戦う動機を見せた上で戦っているから盛り上がっているんだよね
無限の命ではないからこそ人は儚く努力する。その相反する思想を持った鬼との対峙という動機。これこそが煉獄vs猗窩座を更に盛り上げた要因だと思う

それに対して炭治郎らは究極、任務で向かって対峙したから戦闘をするという、最終目標の妹を元に戻すという目標だけ大大と掲げられたはいいが、そこに至るまでの物語のドラマの為の動機付けというのが致命的に弱いと思う。それが、前述したただ任務として対峙した戦闘という見せ方になってしまっている要因
その舞台に一人や二人現地キャラを入れてそこでの物語から戦闘への動機付けをしてみたり、もう少し鬼と対話して無限列車を踏まえた炭治郎の変化を見せてくれたりしたら良かったんだけれど、スピードを意識してかは知らないがそういうのをやるって勇気が足りてない。超スピードで展開されるストーリーは受け取る側も超スピードで消化し切ってしまう
残ったのは迫力ある映像と、ラストの鬼の過去話

触れない訳にはいかないアニメーションについて
別次元のクオリティで圧倒されるしかない
10話の戦闘自体もそうだけれど、それに入るまでの繋ぎの部分、燃えている遊郭と崩れた建物暗い夜の雰囲気にキャラ達との明暗の差が際立ってて暗い割にはしっかりと見せられてて、映画の暗いシーンを暗く見せるみたいな事をしなかったのはよかった
そして戦闘、劇場版と同等レベルをあの期間で仕上げてきているufoの力に圧倒された。CGIでの作画のコンテを映像にして作るなどの技術で、テレビアニメの限界を超えた映像を作り続けているこの作品にこれからも期待大ではある

映画館でも観ました。IMAXで体験したかったので
マジで凄かった。迫力が違うのもそうだけど、暗い夜の場面を暗い劇場の中で見るというのが燃えている遊郭の背景と合っていて、そこで光るエフェクトやキャラ達の動作が際立ってより臨場感が得られてとても良い
バトルは本当に全身で感じられたし、その後の回想も終わりの炎の中に入っていくシーンの演出や音響は凄かった。無限城もCGIのモーションが凄いのはそうだけど、手書きシーンのアングルまでもが多種多様で面白かった

そんな感じで、大大ヒットした『無限列車編』の続編として大大的に宣伝され、期待され、それを上回るアニメーションクオリティを見せてくれて放送された2期は、正直熱が冷めてしまったかと思っていたけれど、安定した話題となってこのコンテンツの世間の関心の凄さを改めて知った
自身としては、感じた感想とその理由付けを頑張って見出して作品全体への印象も大きく変わったし、その頭の中に残り続けて考え続けてきた理由を確固とした文字として記し切れて満足した

投稿 : 2023/04/18
閲覧 : 120
サンキュー:

7

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