Dkn さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
45510
現代の人気商売やSNS、芸能界などを題材として扱っていて、アニメで更に化けるかもと期待できる作品。主題歌が「アイドル」という直球勝負なのも本編を見ることで紐解かれていく。
原作の赤坂アカ氏は「漫画家を引退」した事でも一躍有名になった。厳密には“漫画作画”での引退で、人気漫画である「かぐや様は告らせたい」を執筆していた事もあり大反響を呼んだ。
APEX(オンラインゲーム)の大会に出たりYoutubeの生放送や動画に出演したりと、フットワークの軽い若手作家の引退表明は「これからやりたい脚本/映像/原作の仕事において、表明を見た業界の方が興味を持って頂けるキッカケにしたかった」とYoutuneの生放送にて他ジャンルへの意欲を見せたようにポジティブなものだった。
その言葉からアニメ化に関しても作者自らが参加する仕掛けがあるとファンは密かに期待していたところ、放送の初日から※書き下ろし小説「45510」とアニメの主題歌である「アイドル」の歌詞が連動していて原作ファンにも嬉しいギミックが飛び出した。
本誌で毎週追いかけている原作ファンも注目したい、アニメならではの工夫も見所となっていて、更なる仕掛けもあるかもしれない。
――ちなみに、初回の第1話は90分の拡大版で放送し、先行上映もされた
スキマ時間を埋めるコンテンツが主流の現代において、続き物は第1話以降の視聴数が激減する。話が面白くなるところまで見られる事で継続視聴や満足度による評価も高まり口コミから広がりやすい。この形式は他作品でも何度か見かけ効果的だが、労力のかかる試みなのでどのタイトルでもやる訳にはいかない。
映像のクオリティーや仕掛けから【推しの子】は集英社にとっての推しの子ならぬ虎の子であり、期待値の高さがうかがえる物となっている。現在のジャパニメーションが海外輸出も含めジャンプアニメ1強状態に近いのも、メディアミックス展開のさせ方が要因のひとつだろう。
2023年を象徴しそうな作品のひとつ。まずは1話だけでも視聴してみるのはいかがだろうか、とオススメしやすい作品。
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※赤坂アカ書き下ろし小説「45510」
https://youngjump.jp/oshinoko/novel_45510/novel_01.html