太郎 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
柔道に興味なくても面白い!2期を切望
柔道アニメ自体が珍しいうえに、女子柔道となると実にYAWARA以来。
女子柔道部なので登場人物はほぼ女の子で、キャッキャウフフしてて、ゆるい日常シーンもあるので、そういうところは今どきのエンジョイ系のポイントを押さえてます。一方で、みんな真剣だし試合シーンはちゃんと熱いので、もちろんスポーツアニメとしてもしっかり面白い。
オリンピックなんかでは基本的に個人戦しかやらないので、一般の人にはあまり馴染みのない団体戦中心なのが新しい。(オリンピックでの団体戦は混合が東京2020で初採用)。テーマも「自他共栄」で、互いに信頼し、助け合うこと。自分と向き合って己を追い詰めるタイプの個人競技を、あくまでもチーム競技として描いているのは見ていてすごく新鮮。
主人公は天才とかではないし、強豪校でもない。でも、それだけに平凡な運動部あるあるが多くて、自分が部活をやってた人はけっこう共感できると思います。特に、女子柔道部員の悩み(身体的なこととか部員数とか)がリアルに描写されてるのがすごくいい。少しだけネタバレすると、{netabare}「髪の毛が抜ける」と、強豪校以外はみんな人数が足りてないところ{/netabare}がすごく現実的でつい「そうだよね!」と言いたくなった。
オープニングとエンディングの明るく爽やかなテーマ曲は、どちらも作品の雰囲気とバッチリ合ってて◎。途中で変わる演出もニクい。個人的には、{netabare}最終回のEDにはOP曲を持ってきてほしかった。ただ、ED曲もこれはこれですごく合ってたので甲乙つけがたい。2期のEDに取っておいたのだと信じてます。{/netabare}
ただ、良くも悪くもキャラデザが媚びてないので、キャラの可愛さ重視の人には食わず嫌いされてると思う。それも含めてこの作品のいいところなんですけどね。こればっかりは好みなので仕方ない。作画は割と省エネ感があるけど、試合シーンはところどころ頑張ってるので、物足りなさはあまりないと思います。
あと、それなりに本格的な柔道アニメなので、1クールで描くには話数が足りなかった印象。かなり限られた尺で緊張感とメリハリを出すために試合シーンの演出はかなり頑張ってると思います。ただ、やっぱり駆け足感はあるので、もう1クールは必要な内容だったと思う。スラムダンクで言えば海南戦あたり(わからない人すみません)で終わったイメージ。ラスボスも「お前かーい!」って感じなので、できれば続きが見たい。
個人的には2023冬アニメのダークホース筆頭でした。柔道に興味がないだけで見ないのはもったいない。