鬼戦車 t89 さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
この手の物語でラピュタやナウシカより面白いものを作るのは難しい。戦闘描写にセンスがなさ過ぎるのも気になります。
最終話(11話)までやっと観ました。
皆さんのレビューで、続きは映画で観てねエンドだということは知っていたので、ラストはまぁこんなものかなぁと思いました。
最初の頃の、主人公と王女が大樹から降りながらイチャイチャしてたのがピークだったような気がします。
下の世界に行ってからはあまり盛り上がらない展開でした。皆さんのレビューにあるように、戦争する展開が良くありません。
文明崩壊後の世界の戦争で胸熱展開にするには、超古代兵器や崩壊後の兵士が使う兵器にリアルティが無いといけません。
何となく、昔っぽい単発式の銃(滑腔銃かな?)や大筒、投石機に弓矢や剣で戦うのですが、文明水準がどのへんにあるのか不詳です。
何で、主人公側は、変な動物に載った騎士団がいるのに活用しないんでしょう?
バルギアの鈍重な船に対して銃を使ったヒットエンドランを仕掛ける描写があるのに、ワザワザ投石機や弓の射程範囲でウロチョロしたりする意味が分かりません。火薬玉を投げ込む位のことは出来そうです。
騎士団に凄い機動力がある描写があるのに、王女の情報からバルギアの内情が分かった時点で本拠地に夜襲をかけて、インフラや操舵機能を破壊するなり、忠誠心のない民衆を扇動するなりの破壊工作もしません。
何で正面から上陸して剣で戦うのか?飛道具があるのに活用しません。超古代兵器だって、搦手でいくらでも対応可能そうです。
実際、最終話で騎士がバルギアの提督に対して単騎でゲリラ攻撃をかけています。何で最初からやらない?
両陣営とも、希少資源を巡る殲滅戦を行っているのに、王から下級兵士に至るまで頭がお花畑です。
後、飲水も無いほどバルギアが疲弊しているのも良くないです。何を食べてるのか?というツッコミ以上に、水が無かったら全ての産業が成り立ちません。
船も武器も鎧も全て蟲から作ってるんですか?物語の舞台の世界は、技術的に何が出来て何が出来ないのか視聴者には分からないので、ハラハラ感が足りません。
主人公側の方が資源に余裕がある描写があるので、バルギア側の民衆を扇動するのは簡単そうです。工作員が水を配ればすぐ裏切って蜂起しそうです。
やはり、ラピュタやナウシカを産み出した宮崎監督がいかに凄いかということを再認識しただけで終わってしまいました。
宮崎監督の描く軍隊は、滑稽で無力な人間集団として道化的役割を負わされていますが、軍事的には理に適った行動をしています。
センスの無い奴が、物語を盛り上げるのに戦争を安易に使うなと言いたいです。
意欲的な作品であるので、話数を増やすなどして、きちっとキメてくれた方が良かったと思います。