螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
1.9
物語 : 1.0
作画 : 1.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ごちうさと五等分を合わせて面白さを希釈したような作品
マガジン原作のラブコメアニメ。喧嘩別れした祖母が遺した喫茶店を本来なら潰そうとしていた主人公がそこでバイトしていた美少女五人との出会いを経て発奮し、赤字続きの経営を立て直そうとする話。
作画は手塚プロダクション。リゼたんや五等分1期を制作していたところで、作画の悪さはこれらを見ていれば察することができます。
シナリオも安易なエロや異常なレベルのハイテンションに頼り過ぎてややチープ。要するに勢い任せで質が伴ってない。
作画が悪いから頻繁に挟まるエロいシーンはそこまで唆らない出来になっています。
あとはオリジナリティが致命的に無い。主人公の天才設定やヒロインの性格付けからして五等分の花嫁の劣化にしか見えない。カッコウとかもそうだけど、マガジンは五等分の成功体験に縛られてるのでしょうか。
また、ヒロインの主人公への好感度も初めから全員めちゃくちゃ高いのは謎。いくら世話になったおばあちゃんの孫とはいえ、ヒロインたちは店を潰そうとしている主人公を警戒したり反発しないのか?五人もいて主人公と対立する人間が一人もいないのは異常に見える。
主人公が東大に通っている設定のくせに頭良さそうに見えないのも今後を不安にさせる。葛藤してんのかずっとベッドで呆けては飯食ってるだけだし、掴みの1話から見せ方が下手で魅力のかけらも無い。
不評だった前期のアルスや聖剣と同じ枠の番組というのもあり、不安な要素はかなり多いですね。
2話
展開が悪い意味で異常なので登場人物に共感できない。ほとんどのヒロインたちが主人公を理不尽な理由で攻撃するという、暴力系ヒロインも真っ青の構図。善意で下着洗っただけなのにあそこまで非難するのは酷い。そこはギャグみたいな落とし込み方で良いのに。
主人公も主人公で東大生という設定を持て余してると思わせるくらいに計画性が無く行き当たりばったり。マニュアル通りにコーヒーを美味しく作るけど味がおばあちゃんのものと比較して今一歩足りないとか、そういう展開の方が主人公の凄さとおばあちゃんの凄さを同時に表現できた。東大を神聖化とかはするつもりないけど、ここまで主人公を愚鈍なキャラクターにしちゃうともはや東大に対するネガキャンにしかなってない。これならマニュアルにこだわり過ぎて実践に疎い、不器用なガリ勉設定の方がまだ良い。
Aパートは要らないエロが多い。下着チラ見せや全裸のラッキースケベ、下着の洗濯に関する誤解など、本筋に絡まない余計な話ばかりでウリであるエロも一気に食傷気味に。挙句反省を活かして張り紙を貼ったのにアホ過ぎたせいで気付かなかったヒロインが全裸で風呂場に来て主人公が理不尽に暴力を振るわれるのは普通に胸糞悪い。
Bパートの主人公の挨拶回りはドラマとしては悪くない。最後の下着チラ見せは過程をぶち壊すくらい頭おかしいとしか言いようが無かったけど。
懸念通り、作画崩壊も一気に増えました。ヒロインの顔すら崩れるので、制作がかなり切迫しているのが伺えます。
個人的には今期の中で一番酷いアニメだと思いますね。
3話
カフェテラスの開店回。エロは少なめ。主人公が理不尽な目に遭う展開は相変わらず。作画崩壊も2話と大差無い頻度で起こっていました。
登場人物の思考が2話と同じで弾けているので会話がいちいち引っ掛かる。まず桜花について、衣装しか褒められてないのにそれだけで即落ちとかどうなってんの。もうちょっとツンデレないの?他のキャラもちょっと隼と接しただけで好感度爆上げ。なろう系でももうちょっと理解できる掘り下げしてるぞ。
秋水のアホさ加減は2話からそうだけど度が過ぎていてやや不快。しかも隼のパソコンとスマホを壊した結果株を売れなくなって店の先行きに暗雲をもたらした戦犯なのにそこは軽く流す。流すにしても隼がおおらかな心で許すシーンとか入れようよ。このシーンは上手く活用すれば秋水の魅力を底上げするのに貢献したのに勿体無い。
終盤出てきた資産家はなろうによくいる三流の悪党そのものでファミリアと因縁のある相手というポジションにするには力不足。大衆の面前で怒り任せに白菊にセクハラをする時点でキャラクターとしての底が知れる。
エロ少なければマシになるかと思ったけどそんなことは無かった。
4話
赤字続きの経営状態を打開するべく、隼は屋台を出して店の方と合わせ手数で勝負する作戦に出ました。
白菊が目立っている分、エロは増えた印象。アルコールが絡むといちいち脱いでは露骨に迫るのでエロいというよりは下品に見えます。
秋水なんて3話よりも知能が下がってませんかね。桜花の件で不良が因縁つけてきた時に隼が止めなければ手を出してしまいそうなくらいにはおつむが残念に。このままアホになっていったらそのうち東京リベンジャーズの大樹よりも苛烈な暴力を振るってきそう(苦笑)。
隼への理不尽な暴力はちょっとマイルドにはなったけどあまり変わらず。まあそこらのラノベより理屈が伴っていないです。
今回はファミリア運営の障害として、不破の孫が邪魔をしてくるんですが、ナンパや報復で屋台にゴミをばら撒くなどやることなすことが低俗で魅力が無い。しかもちょっと頭に血が昇っただけで秋水を木材で殴ろうとする辺りも愚劣極まりない。
分かりやすくクズにすりゃ良いってもんじゃない。こんなんじゃ登場人物というより主人公たちを持ち上げるための舞台装置。
孫は犯罪をしても祖父による庇護があるから問題無いと抜かしていました。しかしながら一悶着はともかく、流石に殺人未遂以上はそう簡単には庇えない気がするのですが。
花飾りミサイルからの昇竜拳はかなり笑えましたが、シナリオ自体は相変わらずといったところです。
5話
ぼっち・ざ・ろっく難民救済回。この回だけは鬼滅や推しの子を超えた覇権回かもしれない……。
とまあ悪ふざけは置いておいて、構成としては流星と紅葉がメインの短編と、五人のヒロインたちが隼に対してどんな想いを抱いているのかを垣間見られる回の三本立てと言ったところ。
不破やその孫のような小悪党は出て来ないのでヘイトチャージは無いし、暴力行為やエロも皆無(回想でこれまでのことを振り返ったりはする)。相変わらず怪しい箇所は目立つものの、作画も比較的良かったのでケチをつけたいところはこれまでと比べるとあまり無く、結構見られる回かもしれません。
ただまあ5話にしてヒロインたちがほぼ落ちてるから、質自体はスマホ太郎と同列な気がしなくもないです。
6話
Aパートは秋水の様子がおかしくなる話。出来は良くないです。理由としてはおかしくなった原因があまりにくだらな過ぎる。
秋水が空手の大会で強敵相手にストリートファイターの技である波動拳を使用。当然失敗しそのままボロ負けしてしまい、そのせいで落ち込んでいました。
これ共感できる人いるんか?努力しても及ばず負けたで良くない?わざわざストリートファイターを引っ張ってきた意味が分からない。しかも秋水が波動拳を練習していた理由が自分でも分からないって、ギャグでもちょっと笑えないです。
Bパートのサプライズも妙に露悪的でなんかなぁ。みんなで集って隼を責めることはない気が……隼の言っていることは正論だし、しかも仕事に関わることだから怒りまくって突き放すのはかわいそう。
見ていて気分の良い回ではなかったですね。
ラストまで見ました。
後半は各ヒロイン(亜美除く)の掘り下げ回。7話の紅葉の母親が出てくる回は若干早足。でかい家の確執を一話で畳むには掘り下げ不足が目立ちました。コーヒー飲むだけではい和解ってそうはならんやろ。せめて思い出の味ってところをもっと強調していれば変わっていたと思う。一応この回から隼の視野の広さが目立ってきます。
8、9話の流星の回は紅葉の回より匂わせからの展開がしっかりしていた分まとも。これは子役だった過去絡みのトラウマがあるという同期の推しの子みたいな話。〆の9話はなんか作画が覚醒していました。
10話は桜花の個人回で、彼女と双子の妹である橘花との確執を描きます。そしてまたも持ち上げられる東大。この回も比較的見られますね。
11話はイチャイチャ回で特筆することはあまり無いですかね。流星と紅葉が隼に持っている好意を再確認する回です。
12話は白菊がメイン。彼女は10数年も昔に隼の祖母に会っており、回想から祖母が昔三つ星レストランを経営する程の腕前を持っていたことが明らかになります。しかしながら隼の両親の死を知って遺された彼の世話をすることを選んだことで夢への道は閉ざされ、そのことを知った隼は自責の念に駆られました。
白菊が祖母から聞いた後悔はしていない旨を隼に話したことで隼が立ち直ったところで一メインストーリーは一旦終わりです。この回もまともな部類でしょうか。
後半は比較的まともなエピソードで構成されていました。とはいえヒロインの居候の件が設定として最悪なので、一定以上にはキャラへの好感が持てない点が残念でなりません。五等分のオマージュが所々露骨なのもあまり印象が良くない。12話のラストはもろ五等分みたいで笑いました。
マジデス、アリル、いせにどには遠く及びませんが、今期の中では微妙枠であることには変わりないと思います。