てとてと さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
なろう系ハイファンタジーだが各人ドラマ重視。悪くない作品だとは思うが、地味かつ持ち味発揮前に終了
ハイファンタジー(地球人の転生や転移ではない)で、過去にトラウマや挫折があるキャラたちの群像劇的作風。
小さな依頼こなす過程で彼らが仲間になっていく感じ?
好意寄りレビュー。
【良い点】
良くも悪くもテンプレ作品からは外れている。
なろう系かラノベ系のファンタジーのフォーマットで、各人の人生ドラマを重視、描きたいテーマは何となく分かる。
OPの歌詞などでもテーマが分かる。アニメとしては珍しいテーマではあり、ドラマは悪くなかった。
人生いろいろあるけれど、捨てたもんじゃない的な?
主人公含めて対人関係にトラウマや忌避感感じているキャラたちを掘り下げつつ、各々の課題を解決して絆が深まる流れ。
各ドラマは重めながら、ちゃんと解決して成長する感じは良かった。
キャラは人間不信と銘打っている割には根が素直で、過去に裏切られたトラウマも丁寧に解決。
良くも悪くもティーンエイジャーよりも年齢層が高めな印象、対人関係の嫌な側面からの、挫折との折り合い方を描いている。
特に元優等生お嬢様の現在キャンブラーなティアーナはテンプレから外れた強くて面白いヒロイン。
ドラゴン娘カランと主人公ニックの交流も良かった。テンプレな惚れられ展開とは違う良さがある。
主人公含めて全般的にやさぐれたいい加減さが、挫折乗り越えてきた強さ感じる。
主人公組以外のキャラも良い。
悪役の詐欺師組も丁寧に掘り下げられており、人生踏み外していく過程と、主人公組との明暗を残酷に描きつつ、読者(視聴者)に投げかけるテーマあり。
何気にモブのヒモ男が実は本気で彼女愛していて土壇場で命かけたり、モブに至るまでキャラ描画に面白味ある。
個別回で6話の算数バトル?回が面白かった。
カランを信頼した主人公組と、信頼関係が無かった敵組の明暗でテーマが分かる。
声優的には清川元夢氏の遺作の一つ。
作画は低調ではあるがキャラデザは悪くない。
カランちゃん普通に可愛いし、三白眼なティアーナも可愛くはないが味がある。
バトルは地味だが一部見応えあるシーンもある。
【悪い点】
テーマや描きたい事は分かるが、それで話が面白いかは別。
全般的にスケールが小さく地味なのと、挫折トラウマ系の話が重い。
群像劇は良いが、敵だったモブを掘り下げても盛り上がらなかったり、各章の開始が唐突だったり、全体の構成的に盛り上がりに欠ける。
本命ストーリーであろう後半の展開が説明不足気味。
ハイファンタジーとしては、ドルオタ等の現代文化要素がチグハグ。
カジノや警察機関など、異世界舞台としての雰囲気が弱い。
タイトル通りの本命ストーリー?開始前に終了。
前日談としては悪くないが、これから面白くなる(かも?)な前段階を1クール見せられてもイマイチ。
必ずしも悪い点でもないが、人間不信と銘打っている割には素直。
仲間として交流深める過程での葛藤が浅く、普通の冒険者が仲間になっていく域を出ない。
仲間同士の交流要素もカラン以外は地味、良い意味でもあるが各々が独立している。
…全然的外れかもだけど「灰と幻想のグリムガル」みたいな衝突繰り返してのドラマ性は期待できず。
ここら辺の底の浅さは作品としての限界か。
キャラクターは面白味はあるが、魅力的かは別。
絵的な魅力が地味。特に悪いとは思わないが。
バトルも地味。
バトル展開が地味かつ、魔剣要素が唐突であまり盛り上がりに繋がらず。
【総合評価】4点
なろうラノベファンタジーを借りての人生いろいろドラマ?
悪い作品ではないと思うが、惜しい。
何となく、これから大人になろうかという層に向けての読み物なんじゃないかと。
テーマやメッセージも何となく分かるし真摯に描かれてもいるが、如何せん地味だった。
評価は良い付けたい気もするが「普通」