キャポックちゃん さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
最近では珍しい骨太な作品
【総合評価☆☆☆】
復讐代行を請け負う「利便事屋」が、アヘンで人心を堕落させる謀略の闇を暴き出す。最近では珍しい骨太の構想に基づく作品で、原案・シリーズ構成を担当した虚淵玄の力業が堪能できる。
主人公は、奸計に欺かれて許嫁の父親を殺めてしまった元薩摩藩士・雷蔵。許嫁が復讐代行を依頼したことから利便事屋との関わりを持ち、紆余曲折を経て組織に加わる。そこは、対照的な表と裏の顔を持つ殺し屋たちの集まりだった…
私が好きなのは、利便事屋をバックアップするのが、朽ちた礼拝堂にいる司祭らしき人物であるところ。愛と平和を説くキリスト教が日本では邪教とされたように、いつしか正と邪が反転する。利便事屋のリーダーも背にマリア像の刺青を入れており、復讐を成し遂げた暁には肩脱ぎとなって、「いと慈悲深きサンタマリアの御前に、その罪その咎、悔い改めよ」と嘯く。この目眩く状況に酔える人ならば、アニメの世界を存分に楽しめるだろう。