Witch さんの感想・評価
1.0
物語 : 1.0
作画 : 1.0
声優 : 1.0
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
【失敗作の典型例-4】安易に子供に頼りすぎ →「臭いものには蓋」プロとして最低の仕事ぶり/2023/4/2追記
【レビューNo.48】(初回登録:2023/4/1)
オリジナルアニメで2023年作品。全12話
「糞作品にレビューを書かずにはいられない」という、レビュアーさんの気持ちが初めて
理解できたかも(笑)まあ怒りに任せた緊急レビューということでw
(ストーリー)
一騎と零は裏社会で生きる殺し屋バディ。この日も仕事でターゲットが主催するパーティー
に潜入する。作戦決行の直前何故か4歳の幼女ミリが紛れ込んできて、作戦はハチャメチャ
となるもどうにか任務を完遂。ところがミリは暗殺したターゲットの隠し子だったのだ!
次に母親に子供の引き取りを依頼するも拒否されてしまう。そんなこんなで2人の殺し屋と
幼女の奇妙な同居生活が始まる。
(評 価)
{netabare}・安易に子供に頼りすぎ
・「アイデアに困ったら子供と動物を使え!」
「CM業界の鉄則」で昔そんな話を昔聞いた記憶があり、実際「3B」というものがある
(美人(Beauty)、赤ちゃん(Baby)、動物(Beast))
らしいのだが、本作も「安易に『幼女』に頼ったな」という印象しかない。
・「殺し屋」×「幼女」にすれば、意外性のある面白い作品が作れるだろう
・幼女を出しておけば、「萌え」とか見栄えのいい画が描けるだろう
・幼女に家族アピールさせとけば、アットホームな作品になるだろう
という、浅はかな計算しか感じなかったんだよね。
で、作品を観ると
・幼女に家の中を引っ掻き回させ、コメディ展開にするぞ!
→ 回数や限度のバランスを考えず、ミリが邪魔で鬱陶しい存在に感じてしまう。
・そろそろ家族愛アピールでアットホームな話入れよか♡
→ とってつけたような薄っぺらい展開に空々すら感じてしまう。
ストーリーに自然に馴染ませるのではなく、制作陣の都合だけでミリを動かしてる感
が強く、ミリの扱いが雑すぎでかわいそうだったなと。(ミリに罪はないのに・・・)
・殺し屋と育児の両立について
本編は「表の優しい育児の顔/裏の非情な殺し屋の顔」の両立をどう描いていくのか
・特にこの甘々な世界観で本当に人殺せるの?
・で、人を殺した後どの面下げてミリと接していくの?
ってところに注目していたんだが、そんな心配無用でした。だって殺し屋業開店休業
中なんだものw最後にミリに危険が迫ったから、大儀名分を得て立ち上がるがそれは
別物でしょう!
結局「一番難しい命題からは、目を逸らして逃げました」という最低の仕事ぶり。
「じゃあ、なんで『殺し屋』設定にしたの?」と作品の根幹を疑うレベルですね。
・一番かわいそうだったのは、ミリの母親。
・個人的には制作陣都合に振り回されてかわいそうだったのは、ミリの母親なのかなと。
・2人とミリを同居させたい
→ 子供に愛情を抱けないから、引き取り拒否します!
→ まあわかる
・そろそろドラマチックな展開が欲しいな
→ 改心したからミリを引き取りたい(まあ一応裏工作もあったけど)
→ ちょっと待て!なんや、この取ってつけたような展開は?
・で、ここからどうやって2人に戻していく?
→ 邪魔やな。殺し屋に母親処分させちゃえ!
→ ファーーーーー!!!!
・それで最大の問題「母親が死んだこと隠してるけど、どこで打ち明けるの?」
→ 面倒なことは先送り、ミリは真っすぐな女子高生に育ちました!!
→ 結局ここでも「臭いものには蓋」ですか(呆れ)
・あと、細かい突っ込みとして
・最強の殺し屋「小木埜」をどう倒すのか?
→ あれほどの殺し屋が後ろ無警戒で、背中からブスリって・・・
・「組織の掟は絶対だ!、地の果てまで追い詰める!!」
→ えー、あれで落とし前が着いたの?!
・(話は戻るが)零に初めて「父親の自覚」を持たせるには?
→ 警察官を高圧的にして悪者にしちゃえー?! ・・・etc
なんというか「ご都合主義の権化」というか、欲しい結果を得るためなら
・そのプロセスは何でもあり
・都合の悪いところはすっとぼけ
という、「プロの仕事としてそれはどうなの?」っていうのが多すぎて・・・
「組長娘と世話係」もそうですが、普段は子供でアットホーム感を演出するために血生臭い
設定はなかったように振舞っておいて、いざ新しい展開が必要になったら、ヤクザや殺し屋
らしいことを始めるという、ダブルスタンダードはホンマにやめろや!!
例えば、よく比較対象となる「SPY×FAMILY」は
・偽装家族ということを登場人物も視聴者も分かっているし、コメディに大振りしてるから
→ どこかで本物の家族になりたい
というささやかな願いや多少無茶な言動が受け入れられるわけで、こんな練り込みのない世
界観でこの作品はどこへ向かおうとしていたのか?
なまじ作画やアクションの出来がよかっただけに、余計「殺し屋と育児の両立」というのが
難しく、思いつき感満載の歪な作品に仕上がったという印象ですね。
(個人的には、コメディ/シリアス/ハートフルを作品としてどう扱いたかったのか理解不能
とりあえず全部ぶっ込んでおけば、何か刺さるやろ位にしか見えなかった)
なんかミリや母親の扱いが酷く、しかも都合に合わせて片方には目をつぶるという、ダブル
スタンダードぶりにご立腹って感じですかね。{/netabare}
最後にちょっと怒り任せてレビューしちゃったんで、乱文お詫び上げますm(_ _;)m
(追 記)
てぶくろさんの
「いざ!アクションホームコメディブームの波に乗れ!」
というのが秀逸で、「そういう企画だけでそれっぽい作品つくりました」と説明されれば、
「なるほど」と確かに腑に落ちますね。
(2022/4/2追記)
追記しようと思ったら、書きたいことは上手くてぶくろさんがアップしてくれてましたね。
>逃げやがったなテメー、話作りの難しいところをサボるなってば。
>ミリちゃんの存在がほぼペットと同義になってしまう
・人物描写をサボっている
・ミリや母親は物語を都合よく動かしてくれるための「駒」であり、ことミリに関して
は家族愛をアピールするための「道具」であり、ほぼ人物描写ができていない。
・それは主役2人にもいえることで、エピソード等でこういう過去を持つという「設定」
は増えていくが、その後まともに向き合っていないから人物描写が浅い。
ちゃんとキャラと向き合って、人物をしっかり描こうよ。
・話作りの難しいところをサボってる
・「殺し屋と育児の両立」については、上述の通り。結局都合の悪い部分から逃げたよね。
・上述 >とってつけたような薄っぺらい展開に空々すら感じてしまう。
「家族愛」についても結局人物をきちんと描いていないから、「何をしたか」という表
面上のことしか描けておらず、「同じ時間を共有したから、それはもう『家族』だよね」
という浅いメッセージしか伝わってこない。
クリエイターなんだから、そういうところで汗をかいてこそ「この作品しっかり練られている
な」と、こちらも心を動かされるわけで、それを微塵も感じられなかったのは残念。
(予め決められたゴールへ最短ルートでサクサクと到着するために、都合のいいものだけ利用
して、面倒なことから逃げましたとしか思えなかった)
この構図どこかで見たことあるなって思ったら、異世界モノの「スマホ太郎」やん!!
「現世で『スマホ太郎』やりました」って説明されたら、なんかスッキリとするなwww
(「スマホ太郎」に興味を持たれた方は、ググってみてください)