かがみ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
音楽×ポンコツ
本作は「戦わないウィッチ/歌うウィッチ」というシリーズ中でも異色のコンセプトを持つ作品であり、ひとまずジャンル的には「魔法少女」と「アイドル」を合体させた作品といえる。もっともストライクウィッチーズというシリーズは元々から音楽との関わりが深い作品である。501JFWのミーナ(ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ)とサーニャ(サーニャ・V・リトヴャク)はかつては音楽を志しており、501JFW第1期ではミーナの歌唱とサーニャのピアノによる「リリー・マルレーン」が披露されている。また同シリーズからは関連商品として夥しい数の「秘め歌コレクション」という名のキャラソンが発売されている。その一方で、同シリーズ最初期に公刊された「スオムスいらん子中隊(2006)」という外伝小説は落ちこぼれのポンコツウィッチの奮闘に光が当てられた作品であった。そしてシリーズ史的には、この「スオムスいらん子中隊(スオムス義勇独立飛行中隊)」という部隊こそが後の統合戦闘航空団構想の起源とされているのである。こうしてみると同シリーズの最底部には「音楽」と「ポンコツ」というテーマが伏在しているようにも思える。そうであれば、本作は単に「魔法少女」と「アイドル」という鉄板ジャンルを単純に合体させてみた作品というだけでなく、シリーズの通奏低音を成している「音楽」と「ポンコツ」という二つのテーマを改めて統合させた作品であるともいえる。