Witch さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「一は全、全は一」→ 第1話にこの作品の全てが凝縮されている!!
【レビューNo.50】(初回登録:2023/4/16)
コミック原作で2014年作品。全12話。
早いもので、年末にレビューを書き始めてからこれが50本目の節目。
だからそれなりに思い入れのある作品のレビューをしたいなと。
(ストーリー)
高校生・長谷祐樹は、いつも一人きりでいるクラスメイトの藤宮香織と仲良くなりたいと思い
、彼女に近づこうとする。しかし、彼女はそれを頑なに拒む。その理由は、
「仲良く友達になった人の記憶は、1週間でリセットされ消えてしまう」
からだった。それでも長谷くんはあきらめず、それに応えるように藤宮さんも少しずつ心を開
いていく。そして2人は運命の月曜日を迎えるのだった・・・
(評 価)
・紛うことなき神回の第1話!! 多分私がアニメで唯一泣いた作品
この1話の中で展開される「起・承・転・結」のストーリーが本当に秀逸です。上述のとおり
・はじめは藤宮さんに拒まれるも
・長谷くんの頑張りにより、藤宮さんは次第に心を開いていき、長谷くんも藤宮さんの素顔を
知り、2人は楽しい一週間を紡いでいく。
・そして運命の月曜日、長谷くんは彼女の言葉の本当の意味を知り・・・
・ここで長谷くんがとった行動とは?
{netabare}長谷くんの最後のセリフは本当に凡庸です。でもあの場面では「それしかない!」という最高
の輝きを放ちます。そこに雨宮天カバーのED「奏」がきれいにハマって・・・{/netabare}
この完璧な演出に気づけば涙していました(笑)
恐らく、これだけで1本のショート作品として成立してしまう程のクオリティですね。
・作品全体での「起・承・転・結」もよくできている
1話が神回なので、以降インパクト等ではやや見劣りする部分はありますが、各話とも丁寧に
作られており安定感があります。2話以降はこの状況を改善していくためにアイデアを出して
実践してみたり、長谷くんの親友・桐生くんを巻き込んだり、「ゆるキャラ」のような不思議
女子・山岸さんに懐かれてそのまま友達になり、彼女の友達とも繋がりができて・・・藤宮さ
んを取り巻く環境が好転していくさまを中心に描いていく流れとなります。
基本この4人で話を回していくのですが、この桐生くん・山岸さんが一癖あるいいキャラ立ち
をしているので、作品に幅が出て面白いです。
しかし、藤宮さんの「記憶障害の謎」が残されたままですので、ここからまた「転」の展開も
ありということで、1クールの作品として本当によく練られた構成となっています。
・いろいろな意味で「淡い」イメージ
本作は一応「ラブコメ」に分類されると思いますが、「いうほどラブコメか?」というところ
はあります。{netabare}長谷くんは明確に恋心をもっていますが、「ヘタレ」なのでなかなか踏み出せな
いって感じですし、藤宮さんに至っては、「記憶障害」のせいで友達関係すらまともに築けて
なかったので、恋愛という感情にはかなり鈍感です。でも「長谷くんは他の男子とは少し違う」
という「淡い気持ち」は持っているようです。それに不思議女子・山岸さんも桐生くんに対し
(少し特殊な関係性ながら)「淡い気持ち」を持っているようで・・・{/netabare}
原作者が女性ということもあり、あまりガツガツした作品ではないんですよね。物語に大きな
起伏はなく、ある意味「淡い日常を積み重ねていく」みたいな。それに合わせるかのように、
作画も「淡い色彩」が印象的で、作品の雰囲気作りに一役買っています。
「多分私がアニメで唯一泣いた作品」について
{netabare}涙腺崩壊アニメとしては「あの花」「君嘘」といった作品が有名ですが、基本この手の作品って
「ラストに最大の泣き所がきますよ」って準備しているフシがあるじゃないですか。で、どこか
で「来るぞ!」という醒めた目でみてたところがあったように思います。でも本作はまさかの1話
で、しかも「長谷くんのあの”セリフ”がこんなに刺さるなんて!」って不意を突かれた感じだっ
たんですよね。それにトドメにあの名曲「奏」ですよ。あれは本当にやられましたw{/netabare}
(追 記)
原作は卒業エンドとなっていますが、アニメはその前に終わります。でも問題ないかな。原作既読
ですが、正直ラストの印象がないwこの作品らしい淡々とした終わり方だったような・・・
で、その後の話ですが、葉月抹茶先生の次回作「僕が僕であるために。」の巻末に大学生編が連載
され、さらにこの作品が終わると、次は月刊誌にて「その後の一週間フレンズ。」が連載中と
「どこまでこの作品で引っ張るねん!!」
って感じで、個人的にはちょっと興覚めしちゃったかな。(一応大学生編までは読んだ)
こういう晩年の汚し方はしてほしくなかったな・・・