tinzei さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 2.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
典型的なモンパニだけど、定番とは少しだけ違った展開
シグという貴重な資源が取れる星コールドフットに住む絵が好きな青年ジムは、隣に住むマーニーに好意を寄せていたが、あることから彼女を避けていた。だがある時、刑務官として働くジムは囚人たちが働く採掘場で起きた事故の救出に行った際、とんでもないものに遭遇してしまう。
軽い人物紹介。
・ジム
ホワイトプリズンの刑務官、絵を描くのが好き、マーニーが好き。
・ウォルター
囚人、無骨だが仲間想い、暗い過去あり。
・マーニー、好きな人
ジムの想い人、とある事情で妊娠中。
・バーク、隊長
捜索隊隊長、根っからの軍人気質でスタンドプレーを嫌う。
・ボイド
芋虫の研究者。
・ハドソン
医者。
ネットフリックスオリジナルアニメ。
これの少し前に『エクセプション』ってアニメがネトフリから出たけど、それと同じ会社が作った作品。
CG専門のアニメーション会社だから作画はCGだけど、デザイン(特にキャラデザ)が特徴的。
分かりやすく言うなら、ディズニーの悪役と00~10年代の洋ゲーデザインを混ぜた感じ。『エクセプション』の方は明らかにディズニーの悪役だけど、この作品はちょっとだけゲームっぽいデザインが入っている。
まあ主観だから、人によっては別の似てるものを挙げるかもしれないけど、普段の日本アニメから考えるとかなり特徴的なことは間違いない。
ストーリーは、典型的なSF系モンスターパニックだけど、こういう作品にしては珍しく、仲間が減ってくパターンじゃなくて仲間が増えてくパターン。
主要人物だと主人公の上司と主人公の家族が死亡するけど、それ以降主人公と行動を共にするキャラで死者は出ない。
細かく言うと、最後の最後で裏切ったハワードすら死なない。普通あの展開だと敵に食べられるのに、何故か生き残って最後に赤ちゃんを助ける善行をしたから、細かいことだけど個人的にはかなり驚いた。
途中までジムと敵対していたバークも最後の作戦で仲間になる展開は普通だけど、そこでジムやウォルターを庇って死ぬのかと思った。
所々で主人公のジムが天然ボケをかましてくるけど、別にコメディが増して観やすくなるとかはない。むしろ敵が気持ち悪い芋虫(名前は作中で分かる)だから捕食シーンはグロいし、人間の死体も割とはっきり描かれているから基本シリアスだし、かなり人を選ぶ作品。
全8話だけど、8話制限でもあったのか後半の駆け足が気になる。テレビアニメなら尺と枠が決まってるから仕方ないけど、ネットフリックスってそういうのないんじゃないの?
まあそれは良いとして、一番気に入らないのは、最後にいきなり芋虫を超える超巨大生物が出てきたこと。いきなり「芋虫以外にもっとでかいやつがいる」って言われても困る、しかもそいつの助けで皆助かるし、その展開を作り出すためだけに急ごしらえで作られた生物っぽさを感じる。
結論として、こういうモンスターパニックは嫌いじゃないし定番の展開を破るのも面白かった。ただやっぱり後半の駆け足は少し気になるし、超巨大生物に関してはもっと前から伏線を張っといてもらわないと違和感しかなかったから、そこは残念だった。
【各話あらすじ】
1→シグ鉱石という貴重な資源が取れるコールドフットでは、囚人が採掘の労働として使われていた。コールドフットに住む絵をかくのが好きな青年ジムは刑務官として働いていたが、ある時採掘場で何かの事故が起こり、ジムは救出隊として向かう。だがそこで無数の血の跡と戦闘の痕跡を発見する、さらにその先に進むと生物っぽい何かを見つける。しかし直後ジムは部隊からはぐれてしまう。運良く生き残りの囚人と出会うが、その頭上を何かがうごめいていた。
2→ジムは囚人のウォルターと頭上の何かを刺激しないように外部と連絡を取る。ジムの部隊が救出にくるが、ジムの先輩二人が頭上から現れた芋虫のようなバケモノに食われる。ジムはウォルターと隊長のバークの三人で採掘場を脱出する。しかし刑務所にもすでに芋虫はおり、戦闘になっていた。ウォルターは囚人の救出に向かい、ジムはバークに付いていくが、バークは皆を見捨てて逃げるつもりだった。だがウォルターと少し仲良くなっていたジムは見捨てることができず、すぐそこに芋虫が迫り、バークは一人ヘリで芋虫を攻撃しながら脱出する。
3→ジムが目を覚ますとウォルターがいた。バークの攻撃に巻き込まれたジムだったが運良く生き延びていた。するとそこに芋虫が現れジムを狙う、しかしウォルターが照明弾でやっつけ、ジムはあることに気づく。芋虫が狙っていたのはシグで、シグを身に着けていると襲われるだけだった。ジムはそこら中に転がる死体を見て覚悟を決める。ウォルターと起動させた自立型ロボと一緒に脱出を試みる。だがその途中、ジムは仲間の命を奪った芋虫に復讐を誓い、掘削機を利用して皆殺しにする。吹っ切れたジムにウォルターは感心する。ジムはウォルターに祖父と隣に住んでる想い人のマーニーが気になると言い住んでる町へ向かう。だが町は既に芋虫に襲われており、急いで実家に戻ると隣に住むマーニーの兄弟が死んでおり祖父は芋虫に襲われかけていた。
4→近くに妊婦のマーニーがおり、祖父はマーニーを助け自分の生きる道を探せと言い残し芋虫とともに死ぬ。するとバークが部隊を率いて現れジムに自分たちを手伝うように言う。しかしジムは採掘所での一件で信用しておらず拒否する。バークはロボを動かす他全ての権限をはく奪しようするが、医者のハドソンが現れ止める。マーニーの子供はお金で代理出産する赤の他人の子供でマーニーは兄弟を養うためにその仕事を受けていたが生きがいを失っていた。しかしジムはマーニーを祖父の言葉で元気づけ、とりあえずバークたちと行動を共にする。ジムはマーニーを運ぶが、ウォルターの操縦する乗り物に乗り移る途中ハドソンと兵士一名が取り残されてしまう。ジムはロボとともにハドソンたちを助け、他の兵士たちから英雄扱いされる。避難船に乗ったジムはロボにキャスパーと名付け可愛がる。ウォルターはキャスパーの中に残った情報を漁って軍が調査していた芋虫たちの情報を手に入れる。最初に彼らを発見した時は卵の化石でスワームと呼称されていた。スワームはやはりシグを食らう生物で、可燃性で瀕死になると自爆すると分かる。ジムは研究の責任者が、出勤した時ロープウェーに乗っていた目立つメガネをしていた人間と知る。その後、ハドソンと助手のハワードが現れマーニーを診察する。トイレに立ったジムは兵士たちからお礼を言われ、少しうれしい気持ちになるが、おしっこをしている後ろに誰かが立っていた。
5→後ろに立ってたのはバークだった。バークは兵士が命令に背いて自分で行動するのを許さず、その元凶となるジムを拘束する。ジムが目覚めると独房にいたが、すぐ近くにスワームが迫っていた。ジムはスワームを利用して脱獄し、途中ハドソンと一緒に助けた兵士と遭遇し、彼の助けでハドソンやマーニーがいる医務室にたどり着く。スワームに襲われていたハドソンを助けてマーニーと再会する。その後ハドソンに通信でナビしてもらいながらウォルターとキャスパーを探しに行くが、途中スワームの大群が迫っていることを知る。指令室に行き鍵を手に入れようとするが、そこにいた職員にウォルターが5人殺した重罪人と知らされる。助けるか迷うジムだったが、今までの恩と祖父の言葉を思い出し、助ける決意をする。牢屋につくと、研究の責任者だったボイド博士と女性の助手が捕らえられていた。まずウォルターを助けたジムはついでに二人も救出する。奥でキャスパーを発見するがシグが抜かれており、起動できず、さらにナビをしていたハドソンも負傷がもとで気絶してしまう。ジムはとりあえずシグを手に入れるとその場にいるほか三人に告げるが、直後コールドフット破棄の報告と限界を超えてシャトルに乗せない通信が入る。
6→ハドソンのとこで気絶していたハワードが目覚める。ジムは基地をよく知るハワードに案内を頼もうとするが、シャトルのことを知り逃げ出してしまう。ジムはマーニーの案内でシグがありそうな調理場を目指す。途中ボイドからスワームは圧力に弱く、中から出る触手も刃物で切れると教えられる。ジムは調理場にスワームが一体いることを確認し、スワームを追っ払う作戦を立てる。作戦を実行し、ドアの圧力でスワームを弱らせようとするが思いのほかスワーム力が強く苦戦する。最後はサンプルが欲しいボイドが一人で倒し、シグを回収し、強化外骨格とキャスパーを起動する。途中、指令室の職員にスワームの弱点を教えようとするが、自分を檻に入れた連中が許せない博士はそれを止める。しかし助手のレイチェルやジムの説得で考えを変える。しかし連絡直後、予定を早めてシャトルを出発させると連絡が入る。マーニーのもとに戻り脱出準備を整えていた時、ウォルターがハワードを捕まえる。ハワードはシャトルに乗っても、本国へ戻れる保証はないと言い、ハドソンにクルーザーに一緒に乗らせてほしいという。クルーザーとは身分が高いものが乗る確実に脱出できるものだった。ハワードはハドソンがジムたちを利用していたことを指摘し、ハドソンも否定せず、ずっと協力を叫んでいたジムは利害関係があり、それ目当てだったことにショックを受ける。
7→無気力になるジムだったが、マーニーが子供が生まれそうと言い、元気を取り戻す。ハドソンや皆の協力で無事出産し、ジムはその子の父親になる決意をする。まずウォルターに名前を付けてもらおうとするがウォルターは自分は名付け親にはなれないと拒否する。実はウォルターは娘と孫がいる普通の消防士だったが、不良たちが付けた火で全員亡くなっていた。しかも不良の一人の親が権力者だったためにもみ消されてしまい、自分で不良たちを皆殺しにして刑務所に入っていた。だがジムはそんなウォルターを命の恩人と言い、ウォルターは泣いてしまう。とりあえず移動することを考える一行だったが、突然地響きがして、空からシグ運搬用のタンカーが降ってくる。一行は地下にあるトラックに乗り急いで脱出する。すると不時着する小型シャトルを見つけ助けようとするが、それはバークとバークの上司で、いつも映像で高圧的な態度を取っていた所長のキャシーだった。ジムは二人を助けるか迷うが結局助ける。二人から事情を聴くと、タンカーにサンプルとして持ち込まれていたスワームの化石が戻り船員を殺したため、別の艦が自衛のため撃ち落としていた。だがキャシーは隣の惑星に救難信号を送ったと言い、救助を受けるにはシグを送っているマスドライバーに行く必要があるという。
8→マスドライバーに付いたジムは計画を立て皆で実行するが、脱出してもタンカーの破片にあたるリスクは避けられないと知る。その時、バークとボイドからスワームを超えるバケモノがいる可能性について話される。ジム、バーク、ウォルターの三人は迫りくるスワームの群れを足止めし、その間に他がシャトルを準備するが、ハワードが裏切り一人だけ脱出しようとする。さらにキャスパーとキャシーが連れていたロボを操り、ジムを攻撃する。しかしスワームが迫ってきたことやマーニーの活躍でハワードはジムに殴られる。その後シャトルに皆で乗り、宇宙空間へ上がろうとする。その時、地面から巨大な生物が現れスワームごとマスドライバー基地を呑み込むが、そのお陰で脱出方向がずれてデブリにあたらないコースとなる。無事宇宙に脱出し昏睡状態だった赤ちゃんもハワードが治し、皆で救助船へ向かう。