てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
明るいバイタリティー溢れるjKの戦艦バトル。新房監督初期の名作ではあるけれど、とっつき易くはない
女子高生たちが宇宙戦艦でバトルしたりする。新房昭之監督初期の代表作。
原作は未読。
※作品データベース様より転載、評価はOVAなど関連作品すべて含む。
【良い点】
現代(20世紀)の女子高生たちが30世紀の宇宙戦艦バトル(ただし死人は出ない)で活躍する世界観設定が面白い。
2012年の「ガールズ&パンツァー」に先駆けた設定。
主人公の山本洋子はじめ四人娘いずれも個性的かつ独特な活力に溢れており、普通なら戸惑うような状況にも無理なく順応。
あまり難しく考えずにノリと勢いでいっちゃえ!な気風が良かった。
バトルは綾乃のワイヤー使って戦艦で一本背負い決める必殺技が外連味あり。
OVA全6話の方が明るくはっちゃけていて楽しい。
説明不要なキャラアニメ、戦艦使ってのビリヤートとか発想がぶっ飛んでいて飽きさせなかった。
TV版は結構シリアス寄り、各キャラ丁寧に掘り下げつつ、スポコン的な青春物として真摯な側面が強かった。
無敵の洋子中心に、洋子の存在感に複雑な葛藤抱える他三人の友情劇として見応えあり。
話はシリアスだが適度にコミカルなおふざけや演出で重苦しさを緩和しており、見づらくはない。
まどかのデコ光りや洋介にストーカーしたりはコメディー要員としては笑えた。
この辺はキャラの魅力と演出が噛み合っていた。
宇宙戦艦バトルの描写や新房作品らしい演出などアニメーションは良好。
声優陣も豪華、特に高山みなみ氏の山本洋子は代表役の一人か。
【悪い点】
OVAは面白かったが、TV版がシリアス続きであまり楽しくない。
戦艦の転送装置(ガルパンの特殊カーボンに相当)が、明るいスポーツではなく、オフにして悲壮なシチュ演出に使われる事が多い。
OVAが戦艦使った娯楽だったのが、TV版はガチの殺し合いになりがちで辛気くさかった。
話が分かりづらいというか、チグハグ感。
説明省いて唐突に状況が始まったり、エピソード間の繋がりが悪かったり。
終盤綾乃闇落ちも唐突だったり、決着も消化不良でラストはイマイチ。
黒幕打倒や洋介との因縁差し置いての展開で戸惑う。
キャラの魅力は高いが、意外と深い交流が少ない。キャラ層が厚いようでいて、意外と薄かった。
まどかは序盤こそ洋子と良きライバル関係築くが以降ネタ要員に徹したり、紅葉も地味に葛藤しがち。
ローソンを巡る恋の修羅場もそれまでの掘り下げが無くて微妙。
その他のレッドスナッパーズの面々なども微妙に掘り下げが足りてない。
戦艦バトルもTV版は単調気味で良いかは微妙。ストーリー展開も相まって、あまり痛快ではなかった。
【総合評価】4~5点
知る人ぞ知る名作かもしれないが、知る人ぞにしか評価されないマイナーアニメの域を出ない理由が何となく分かる。
凡百の駄作では決してあるまいが、とっつき難い。
OVA版は良い、TV版は悪い寄りの普通、評価は迷うが「普通」
「ぱにぽにだっしゅ」もあまり高評価出来てなかったり、自分は新房作品と相性悪い模様。
真価を理解できぬ自分の未熟か…