かがみ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
深化した世界観
第二次世界大戦期を思わせる世界を舞台として謎の侵略者ネウロイと戦う「ウィッチ」と呼ばれる魔法少女たちの活躍を描く本作は、アニメ第1期で宮藤芳佳の所属する501JFWはブリタニア連邦を根拠地としてガリア共和国の解放し、続く第2期でロマーニャ公国を根拠地としてヴェネツィア公国を解放した。そして第3期となる今作では新たに服部静夏を加えネーデルラントを根拠地としてカールスラント首都ベルリンの解放へ挑むことになるが、統合軍の最重要補給地点であるベルギカ王国アントウェルペンの港湾施設がネウロイに破壊されオペレーションサウスウィンドは延期となり、芳佳は魔法圧低下のトラブルに見舞われる。そのため、物語は中盤まで戦局は大きく動くことなく物語はとりわけミーナ、バルクホルン、ハルトマンのカールスラント組を中心に501内部の交歓と成長に主に焦点が当てられる。そこでは以前の焼き直しのようなエピソードが出てきたりもするが、これは第2期から10年経っていることから新規視聴者向けのオリエンテーションのような意味合いもあるのだろう。その一方で本作の大きな特徴の一つにウィッチ「ではない」一般軍人の活躍に光を当てている点が挙げられる。こうした描写は単なるミリ萌え作品ではなく一大架空戦記でもある本作の世界観に更なる重厚さを与えている。今回はカールスラント内のベルリンという一地域を解放したところで終わっており、ヨーロッパにおけるネウロイの脅威はいまだに去っていない。ここから更なる続編の展開を期待したい。