てとてと さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
オムニバス形式の恋愛ゲーム青春劇。作画や構成が惜しいが捨て難い
恋愛ゲーム原作の青春劇。過疎で閉鎖される寮を舞台に、主人公が6人のヒロインたちと交流していく。
※作品データベース様より転載
【良い点】
良くも悪くも暑苦しく青臭い青春のノリ。主人公のワタルは問題児だが愚直にヒロインたちと向き合う姿勢が好感持てる。
2010年代以降あまり見かけなくなった、やや古いタイプ、現在振り返ると新鮮。
一見ハーレム構造だが意外なほどハーレム感が無い、性別に関わらず青春劇が成立している。
6人のヒロインを各々2話ずつスポットを当てていくオムニバス形式。
「ヨスガノソラ」や「アマガミ」などと異なり、同一時空の出来事を時系列バラして綴っていく。
これにより、個々の交流は浅いが、担当回以外のヒロインたちがサブに回る事で重層的に描けている。
例えば3番目のシズ編でサエちゃん先生の活躍があり、これを踏まえると先生担当回の印象も違ってくる。
先生回で2番目のヒロイン・ミヤホちゃんのナイスアシストが見れるなど、序盤のヒロインも成長してるな…と。
あまり目立った見せ場が無いヒロインも、2×6話の積み重ねで、一緒に青春過ごした仲間たちな雰囲気は十分出せていた。
最終13話の卒業式はベッタベタではあるけれど、あざとい。良き青春の日々だったと思う。
自分が昔より涙脆くなっているためかも…。
また、上の世代の周辺人物や過去の経緯なども徐々に分かってくる構成も悪くない。
タイプの違う話が2話ずつコンパクトに纏まっていてすぐ山場がくるため、連続視聴すると思いのほか見やすかった。
辛気臭い展開も多いが、2話構成で話が浅いのであまりストレス溜まらず視聴できた。
個別だと、9と10話のサエリ先生回が良かった。
頼りないお姉さんと思いきや、生徒を守るため頑張った。
「十二人の怒れる男」ネタと思われる職員会議も面白い、ポッと出のモブ教師たちがいずれも侮れない魅力あり。
僅かな出番で良き大人、良き教育者の在り方示す、サエリ先生含めて大人に魅力があるのは良い。
ラストヒロイン、真打なナオコ先輩の魅力が高い11、12話が一番ちゃんとラブコメしている。
これは先輩がメインヒロインだった。
萌え的には最初のツンデレスポーツ少女リンナちゃん、幼い系なシズちゃん辺りが好み。
【悪い点】
ひとり辺り2話しかなく、掘り下げ不足や駆け足感は否めず。
ミヤホ編はミヤホちゃんの心境の変化がやや急に見えたり、シズ編は毒親の改心の過程が全く無く唐突だったり。
重層的に描けているとはいえ、各々の印象はどうしても弱い。
良い点もあるが、根気よく見ないと良さが分かりづらいのは否めず。
やや説教臭い話が多いのも難。
ワタルは特に悪印象は無いが、言葉足らずで無為に誤解招く展開が多い。
その誤解も急展開で解決に向かう、見やすくはあるが、浅い。
作画がイマイチ。キャラデザ自体は好みだけど、近い時期の同ジャンルアニメと比較して見劣りする。
声優陣は折笠愛氏の声質が先生より大人びていてやや違和感。
主人公は中村悠一氏だが、当時特別上手いかは微妙。
主題歌は良曲ではあるが、音響の問題か若干歌詞が聴き取りづらいような。
【総合評価】6~5点
良作とは言い難いけれど、青春劇として悪くはない恋愛ゲームアニメ。
構成に功罪あり罪が目立つ面もあるけれど、通して視聴して十分な良さを感じた。
初視聴時はさっぱり印象に残ってなかった辺り、やはり微妙な作品と思われる。
ただ、改めて視聴してみると、思いのほか悪くないと思った。
評価はかなり贔屓目に「良い」
【余談】
6話に「汚名挽回」発言が。