Bハウス さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
やさしい世界を作っていくんだ
魔王軍で四天王バシュバーザの補佐を務めていた
ダリエルが突如解雇される場面から始まる
人当たりが良く誰からも慕われていた人物だが
魔族では当たり前である魔力を持ち合わせておらず
唯一否定したドロイエ以外の採択によって追放が決まる
裸一貫で魔王城を出たダリエル
道すがらの森でモンスターに襲われている女の子に出会う
人間を助けるのに躊躇いながらも戦い撃退
女の子に感謝されそのまま近くのラクス村に行くことに
実は彼女は村長の娘でマリーカと言い
父のエンビルはギルドマスターも兼ねていた
行く宛がないことを知ったエンビルは
ダリエルが冒険者になるための基礎として
5属性あるオーラの適合テストをしてみた
すると全ての属性で適合する無双ぶり
ここで自身が人間族であることを知り
冒険者としてラクス村を守ることを決意する
追放もので無自覚チートキャラは
最近のなろうのトレンドではあるけれど
この作品は本来敵対関係である人類と魔族に
それぞれ家族の要素を持ち込むことによって
戦わない未来を作り出そうとしている
ミスリル鉱山を魔王軍から奪取した後
かつての同僚で親しいリゼートを仲介役にして
ミスリルの取引を成立させるほど
ある時ミスリル武器を求めて
勇者パーティがラクス村に来た
勇者レーティはダリエルと偶然戦った際に
先代アランツェルの秘儀烈空を使っていたので
パーティに入るように再三申し出てくるが
既に引退してラクス村の村長を務めていること
魔王軍とも関わり合いがあるので入れないと
ダリエルが返した結果
師弟関係という形で二人は協力していく
この後魔王軍の四天王であるゼビアンティスが
ミスリルを狙ってラクス村に来たためレーティは決闘することに
互角の勝負で進んだ戦いは
ダリエルとマリーカの息子グランが落石に巻き込まれるピンチ
二人は協力して助けたことによって友情が芽生える
同じパターンでアランツェルとダリエルの育ての父
前四天王のグランバーザはグランの祖父と知って
お互いの過去を水に流してジジバカにw
ここでダリエルのチートの秘密が明かされる
実はアランツェルの行方不明だった息子であり
かつての四天王ベゼタンの襲撃によって母を殺されていた
激昂したアランツェルに返り討ちに遭い
虫の息でベゼタンはグランバーザにダリエルを預けた
ダリエルが魔王軍は侵略をせず防御の戦いしかしていない
共存する道もあるんだといったことを受けて
「良い育て方をしてもらった」とグランバーザに呟く
アランツェルに私はしびれるw
最後の敵バシュバーザは常に孤独を抱えていた
父グランバーザは家にほとんど居らず
認めてもらいたいと思っていたところでダリエルが現れる
ダリエルが人格者として評価を受けるたびに
彼は自らの存在を否定されたように感じ
それはやがてダリエルへの憎しみへと変わっていった
自らの力を誇示するべく禁呪を犯して
魔獣サラマンダラと共にラクス村を襲う
対峙していても常にバシュバーザ様と
様をつけているダリエルの健気さもいいが
孤独を抱えていたことを吐露するのを受けて
「出来ればあなたの目になりたかった」
この一言が最終的に彼との融和につながり
家族としての再構成をするというラストに
ファンタジー世界だから戦うことが宿命
そういう概念を否定して作り上げたのが
誰もが認められるやさしい世界
机上の空論かもしれないが
ある意味戦争が実際に目に見える時代だからこそ
テーゼとしての訴求力はあったんじゃないかな
余談
マリーカと絡むたびに「エロマンガ先生」
と絶叫してそうな杉田智和をイメージしていたのは
私だけじゃないよねよね?