エイ8 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
We all have to carve out our own way.
『RWBY』(ルビー)は、アメリカのルースター・ティース・プロダクションが制作したWEBアニメシリーズ。
第七シーズンのVolume 7全13話(November 2, 2019~February 1, 2020)(wikipedia、英語版からの引用も含む)
総時間3時間28分(amazon prime video)
(以降Volumeは「期」として表記)
まず初めに、これまでRWBYのレビューは日本語版を観ながらとったメモを元に書いてましたが、今回はそれに加えFANDOMにあるスクリプトを参照しました。結果、文章量が少々増えてしまったのでご注意くださいw
尚FANDOMには実に簡潔に要点がまとめられたあらすじが既に用意されています。ですので内容のおさらいをしたい方はそちらをご覧になられた方が確実です。個人的にもあれを見てしまうと一体自分は何やってるんだろうという気に……
とはいえもうここまで来たので最後までやり遂げますよ。それでは7期のレビューをはいレッツゴ。
ルビー一行はアトラスに到着するもどこか様子がおかしいということで指示に従わずマントルへと向かう。そこではどこも荒れ放題でやたらと監視の目が強い。とりあえず一行はマリーアの誘導でピエトロ・ポレンディーナ(Pietro Polendina)のラボへと向かう。彼はマリーアの義眼(Cybernetic optical implants)の開発者であると同時にペニーの生みの親でもあった。
3期で破壊されたと思われたペニーも今は無事に稼働していた。持ち帰ったコアを元にボディを再修復した模様。彼女は現在マントルの守護者として町の安全のために戦っていたのだ。
ペニーという「お友達さん」と再会を果たしたルビー達、ところがその直後「エース部隊」に拘束されてしまう。エース部隊(Ace Operatives, 略称Ace-Ops)は、アトラス・アカデミーを卒業した5人のハンターから成るアトラス軍の精鋭部隊である。ようするに現役のハンターでありクロウはともかくルビーら学生が太刀打ちできないのは当然のことでもあるわけです。
連行中の飛空艇の中でフォレスト(Forest)と言う名の活動家と出会うルビーら。彼はロビン・ヒル(Robyn Hill)というマントルの政治家の熱烈な支持者であり、そんな彼からアイアンウッドの悪評やハッピー・ハントレス(Happy Huntresses)なるマントルを活動の拠点としているアトラス・アカデミー卒業生のハンターからなるチームのことを聞く。つまりここアトラスではアイアンウッド将軍率いる軍並びにエース部隊と云わば下町であるマントルの政治家であるロビンがハッピー・ハントレスを率いて対立状態にあるようです。(尚、日本語版ではハッピーハンターレディースになっている。)
連れていかれた先はアトラス・アカデミーで、そこでアイアンウッド並びにウィンターと再会。二人はどうやらルビーらが捕まったという事情を知らなかった模様。ただ、彼女達が飛空艇を盗んでやってきたという意味では捕まってもしょうがなかった。同時に、それは「なさねばならなかった」ことでもあった。ウィンターは一応の理解を示したもののクロウに苦言を呈する。クロウはアイアンウッドにのみ伝わるよう婉曲的に事情を説明するものの、既にウィンターもペニーもそしてエース部隊もレリックや女神のこと、更にはセイラムのことを知っていた。
アイアンウッドはあくまでレムナント全体のことを考えて行動していた。しかしながら現実にマントルの人々が苦しんでいる様子を知ってるルビーらは反発する。アイアンウッドはアミティコロシアムを大気圏上に打ち上げて通信タワーにすることを計画していた。ビーコンが陥落した時に通信が遮断されてしまったことへの反省から来る計画だが、そのためには……
ルビーらがエース部隊と和解している横で、ひっそりとクロウはアイアンウッドとおっさんずラブな空気を醸しだす。いやせめてウィンターとにしてくれよという案は無事却下された模様。3期での二人のフラグは何だったの?ツンデレ伏線じゃなかったの?
そんな折、マントルでティリアンとワッツが悪だくみを開始。アトラスのサイバーセキュリティ―は強化されているものの、マントルのは全く更新されていないことに目を付けていた。ワッツはセキュリティーコードの開発者でもあったのだ。
ルビーらはアミティ通信タワーの打ち上げ場所を確保するためにエース部隊と共に放棄されたダスト採掘場へと向かうことになる。そこは閉鎖されてからグリムが入り込んでいるが、同時に未採掘のダストもあるためそれを回収し打ち上げの燃料とするつもりの模様。
尚この機に全員が衣替え。基本的にみんな前髪を上げがち。ブレイクは長い髪をばっさり切ってボブカットに、ワイスはついに自慢の膝小僧を封印。ヤンとノーラの髪型はほとんど変わらず、レンは髪を(ノーラが)結ってしまった。
尚、ノーラは新しい服をレンに褒めて欲しかったのに無視され、挙句の果てにジョーン如きに褒められてしまいすっかりお冠……好意の対象でない男から褒められたらむしろ気分を害するとか、女子って酷くない?
ルビーはアイアンウッドにオズピンとセイラムの過去を伏せていた。それに対しオスカーはオズピンが自分達に隠し事をしていたことと一緒じゃないかと間接的に揶揄。
件の採掘場はどうも過去にホワイトファングが爆破したところだったようで、そのことを思い返しながらワイスが反省の弁。ちなみにブレイクと同じファウナスのエース部隊、マロウ・アミン(Marrow Amin)は達観した視点で俯瞰的に物事を捉えていた。
ここでエース部隊のセンブランスが続々と明らかに。マロウは"Stay"(待て)と叫ぶと相手をフリーズさせられる。
ハリエット・ブリー(Harriet Bree)は電気的な軌跡を残しながら超高速で移動するスーパー・スピードでルビーに対抗意識。
エルム・エダーネ(Elm Ederne)はオーラを用いて足回りを木の根のように固め、その場に身を固定するオーラ・ルーツ。
ヴァイン・ゼキ(Vine Zeki)はオーラ・ヴァインズによって、手足からオーラをツタのように伸ばすことができる。正直エルムのに似ていて区別がつかない面もあるw
そしてリーダーでもあるクローバー・エビ(Clover Ebi)のセンブランスはグッド・フォーチュンといい、確率的な事象について、彼にとって好ましい結果をもたらすようにする能力である。クロウのミスフォーチュンと同様に常に発動しているため、あらゆる活動にポジティブな結果をもたらしている、とのこと。
まあなんやかんやで任務を達成した裏では、先日出会っていたフォレストがティリアンにより殺害されていた。ロビンの有力な支持者が殺されたことでより一層の疑念の目がアイアンウッドに向けられることになる。
ルビーらはアイアンウッドの計らいでプロのハンターライセンスを発行してもらった。一方でアイアンウッドに隠し事をしているルビーは葛藤する、これではオズピンと一緒ではないのかと。しかしクロウはオズは自分だけを信じていたがルビーは仲間を信頼しているという違いがあると慰める。
シュニー家ではワイスの父であるジャック・シュニー(Jacques Schnee)のもとに死んだものと思われていたワッツが訪れこれまた悪だくみを開始。
ヤンとブレイクがイチャイチャしてたりジョーンがママさん達にもてまくったりチームFNKIの面々との疑似バトル等を挟みながらも着々とプロのハンターとしての任務をこなしていく一同。その中でアミティーに資源を運ぶためのなが~いドライブの最中にクロウとクローバーまでもがイチャイチャしだす。この二人の関係というかクロウの苦悩の意味自体が本編見てるだけではよくわからなかったのですが、ようするに彼のセンブランスであるミスフォーチュンは周囲の者に不運をもたらすもので、他の多くのセンブランスとは異なり常に効果を発揮しており、本人にも止めることはできない(以上FANDOM参照)とのことなのですが、それで相反する性質のセンブランスを持つクローバーとならやっていけるのではないかと思った様子。
で、そんなところに現れた宿敵(?)のロビン。彼女はアイアンウッドの隠し事に薄々と気づいているようで色々と探りを入れてくる。なぜアミティ・コロシアムが突然重要になったのかを。
その頃ワイスはウィンターに冬の女神フリア(Fria)を遠目ではあるものの見せてもらう。そしてウィンターが次の女神を引き継ぐようアイアンウッドから指令を受けていることも知る。ま、名前が名前ですしねw
ロビンとジャックの選挙中、チームRWBYらの面々は各々"A Night Off"(一夜のオフタイム)状態。ヤンとブレイクは相変わらずのイチャコラ状態でチームFNKIと一緒にクラブへ、ルビーはノーラらとロビンの祝勝会場へ、どっちとも行きたくないワイスはジョーン、オスカーと映画へ。というかほんともうワイスとジョーンのフラグは欠片も残ってない……
祝勝会場ではどうにもレンが仏頂面、彼も色々焦っている様子。
そしてここで実にクリティカルな会話がなされています。日本語版では気づきにくいですが、英語版では
Nora
Jinn said she can't be beaten. ジンは彼女は倒せないと言ってた。
Ruby
She told Oz that he couldn't destroy her. オズに対して、彼は倒す事はできないって。
Nora
But maybe someone else could? でも、他の誰かだったらできる?
Ruby
I don't know. 分からない。
(FANDOMより引用)
と6期のレビューでも取り上げたことが作品でも議題にあがっていました。
ペニーと合流後もこれまた核心的な会話、今度はヤンとブレイクについてノーラは百合を疑っているもののレンは友情以外何があるのかと冷めた様子。一人はそうかもしれないがもう一人は不安に思ってるかもしれないと冷淡なレンに対し話し合いもしないでどうやったらお互い理解できるわけ?とくってかかるノーラ。途中からヤンとブレイクの話なのかレンとノーラの話なのかよくわからなくなってきたルビーとペニーはここで退散。
レンの態度がわからないノーラ、話し合いに応じようとしないレンの唇を強引に奪う。きゃー。
そして停電が引き起こされティリアンが暴れ、ペニーははめられる。しかもロビンはジャックに逆転負けを食らうというおまけつき、というか全てはワッツの計画通りと言ったところか。以前3期のレビューでエメラルドのセンブランスは録画映像にまで及ばないのでは?という疑問を呈したと思いますが、案外こっちもワッツによって作られたフェイク映像だった可能性が出てきました。
ここでペニーの真実が発覚。彼女はただのロボットではなく父であるピエトロのオーラを分け与えられていた。そして、彼のオーラは枯渇しかけているためもう一度彼女が破壊されたのなら次は復活させられないとのこと。
アイアンウッドからはロビンを捉えろとの指令を受けていたが、ヤンとブレイクは逆にロビンに秘密を、つまりアミティータワーを通信タワーにする計画のことを伝え、信頼を得ようとした。
オスカーはアイアンウッドに創造の杖の在り処へと連れてこられていた。そこで創造の杖は一つのことにしか使えない、つまり新たな願いは前の願いで得た力を無くしてしまうことを意味することを知る。なので、アミティタワーを浮かばせるためには使えないということらしい。
アイアンウッドはセイラムを止めることが最も大事だと言うが、オスカーはそれよりも人の心を忘れない事の方が大事だと反論、それこそがセイラムと自分達との差であると。
一方でアイアンウッドは彼女に人の心が無いことこそが最大の強みではないのかと疑う。それに対し恐れても良いが恐怖に支配されてはいけない等とオズピンのようなことを言いだすオスカー。
招待があったからと、ルビー達やエース部隊と共にドカドカ大人数でシュニー家へと訪問するアイアンウッド。尚、ワイスを逃がしたクラインは既に解雇されていた。
食堂ではジャック含め議員たちが侃々諤々の議論を開始、好き勝手なことをいうジャックに娘のウィンターがブチ切れ、そのまま部屋を去る。
一方もう一人の娘のワイスは久しぶりに母親のウィロウ・シュニー(Willow Schnee)と再会。彼女は完全なるアル中状態であるものの夫であるジャックから身を守るために彼の書斎にカメラをしかけていた。そのお陰でジャックとワッツが密会していた証拠を掴む。
食堂ではジャックが優勢だったもののこの証拠映像により形勢逆転。プロライセンスの効力により彼を逮捕する(できますの?)。
……ところで前も書いたかもしれませんがジャックさんって実はすんごいハイスペックなんですよね。作品では高慢ちきな金持ち小悪党のような描写ですが、その実は資産家の娘を射止めた上にちゃんと事業としても成功させてるんですから雄としては超優秀な部類でしょう。ワイスもシュニー家目当てで近寄ってくる男ばかりと言ってましたがそれは裏を返せば選り取り見取りなわけですしその中からウィロウさんに選ばれただけの何かがあったと言うわけですからね。ジャックさんの爪の垢が売ってたら煎じて飲みたいぐらいですよ。まあ政略結婚と言う可能性もゼロでは無いですが、ワイスといいウィンターといい娘たちに好き勝手させる(される)ぐらいなのですからシュニー家自体はそこまで周囲とのしがらみはあまりないのかもしれません。
ワッツはマントルの暖房システムを遮断してしまっていた。未曾有の危機を前に、ついにアイアンウッドはセイラムのことを公表する決意をする。計画が狂ったティリアンは情報をもとにロビンを襲う計画を立てるがそれはただおびき寄せられただけだった。クロウ、クローバーにまでかこまれたティリアンは敗北し連行されることになる。
一方のワッツはアミティ・コロシアムに向かったがそれもまた罠でアイアンウッドと対決することになる。ワッツは彼の左腕を奪うものの結果的に取り押さえられてしまう。
全ては順調に進んでいったと思われた矢先、アトラス・アカデミーの学長室に黒のクイーンが置かれていたことから事態は一転悪化する。この「ブラック・クイーン」はワッツの開発したウイルスの名前であると同時にこのチェスの駒がガラス製の場合はシンダーのコールサインを意味している……らしい(本編にこんな記述あったか正直覚えてませんがw)。
これらも全てセイラムの手の内であると強い疑念を覚えたアイアンウッドは狼狽え、またヤン達がロビンに情報を漏洩していたことまで発覚したこともあり方針を転換、ウィンターに冬の女神の力を引き継がせると共に杖の力でアトラスを大気圏上まで上昇させようとする。つまりそれは、マントルを見捨てることを意味していたためルビーらと対立することに。
これによりティリアンを護送中であったクローバーはクロウ、ロビンと対立。煽るティリアンは飛空艇を墜落させた後クロウと共闘する振りをしてクローバーの命を絶つ。こともあろうにクロウの武器を使って。いやまあクロウさん……これはさすがに擁護できないっスよいくら何でもティリアンを信用しちゃダメでしょ……
チームRWBYは残りのエース部隊と対立、チームJN(P)Rはオスカーを捜索する過程で潜んでいたニオとレリックを巡った攻防を始め、ペニーとウィンターは冬の女神の下でシンダーと相対する。
チームRWBYはエース部隊に打ち勝つものの、チームJN(P)Rはニオにレリックを奪われる。ノーラの姿に化けたニオをレンが攻撃できなかったことが痛手だった。
マリーアと連絡がつき脱出の算段をつけるジョーン達、その中でオスカーだけが一人単独行動に。彼はアイアンウッドとの対話に臨む。が、結果的に撃たれ奈落の底へと落ちていく。ま、如何なる理由があろうと相当年上のお偉いさん相手に「ジェームズw」などと馴れ馴れしく呼べばそりゃ怒られて当然ですわなw
とはいえオズピンが復活したオスカーは危機を脱することに成功する。
シンダーはウィンター達には打ち勝つもののフリアには退けられる、そして準備が整ったフリアは使命に則り女神の力を引き渡すことを決意していた。その相手は何とウィンターではなくペニー。彼女のオーラはピエトロ、つまり男性のものであるものの女神の力はペニーを女性として認めたことになる。ペニーは受け継いだ力で今度こそシンダーを追い払った。
フリアは死んだのではなくペニーの一部になったのだ、とウィンターは語る。だが、ウィンターとしては簡単に受け入れられる事態ではなかった。本来女神の力は彼女が受け継ぐ予定だったのだから。ルビーとワイスも駆けつけるものの、既に彼女達もまたお尋ね者。ウィンターは姉としての情けで妹たちに逃げ出す猶予を与える。ワイスは姉の心配しつつも、その好意に甘えざるを得なかった。
Weiss
We all have to carve out our own way.
(日本語版では「運命を切り開くのですね」とまるで姉がそうするつもりなのか確認するような台詞ですが、実際はFANDOMの対訳にあるように「私達は皆自分で道を切り開かねばならない。」との決意表明に近いです。)
そして差し込まれるオズピンのモノローグ
――この惑星の行きとし生けるものに等しい感情とは、恐怖だ
不思議だ。いとも簡単に、人は恐怖の持つ力を軽んじる
親しい者に忍び寄る恐怖、親しい者を失う恐怖、失敗への恐怖
守るべきものが増えるほど、恐怖の力は増大する
だが、恐怖自体は大した懸念ではない
問題は、恐怖の支配下でどう生きるか
果たしてその生き方を誇れるか、相手を許せるか
彼らが何故その行為に至ったのか、本当に理解できるか
真実を見抜けるか、君を見つめる人物こそ、初めから恐れるべき相手だったのでは?
その答えは、いずれそのうち、明らかとなる――
ニオを便利に使い続けるシンダー、取っ捕まっても余裕綽々のワッツ。
そして巨大なクジラ型グリム「モンストラ(Monstra)」に乗って、ついにセイラムがやってくる。
ではまた8期のレビューで。