ねるる さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
夢に犯される現実を味わえる、類を見ないSFサイコホラー作品
原作小説未読。今敏監督作品。2006年公開。上映時間90分。
~あらすじ~
精神医療研究所が開発した、他人の夢を共有できる画期的テクノロジー"DCミニ"が盗まれ、それを機に研究員たちは奇怪な夢に犯されていく。謎を解明するため、夢探偵"パプリカ"は他人の夢の中へと入り込んでいくこととなる。SFサイコホラー作品。
ずっと昔から評価の高い今作品、ついに見てみました。
最初から最後まで、奇妙でサイコホラーな悪夢の世界が続きます。気持ち悪くて怖いんだけど、画面も音楽もなんだか中毒的で、飽きずに見ちゃう、見入っちゃう面白さがありました。全然分からないんだけど、つまんないとか、見るの辞めたくなるような不快感はない、謎の魅力。
作品のテーマは"夢"。
夢といっても悪夢、正夢、白昼夢など様々な夢があります。
言葉の意味を調べると、①眠っている間に、様々な現象を見聞きすると感じること。②現実が持つ確かさがないこと。③現実のあり方とは別に心に描くもの。とあります。
夢という言葉の持つ、不確かで不安で自分以外に的確に伝えられない、この危うさ、サイコホラーな世界観で見事に表現されてました。怖かった。
悪夢に犯された人の普通は考えつかないような、異常なセリフや異常な妄想、脅かしに来る怖さでは無いけれど、潜在的な恐怖を感じる映像と音楽と演出。監督が鬼才と呼ばれる所以が分かりました。
理解はしきれませんでしたが、充分に世界観を感じとれました。
登場するキャラクターたちも、見た目もキャラ性も惹き付けられる魅力があったし、類を見ないクリエイティブな作品として、一度は見てみる価値がある作品だなと思いました。精神に異常をきたさない程度の視聴をオススメします。