シボ さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
しっぽふりふりは反則なんです。
豊作をつかさどる狼の化身、神と村人に崇められてきた賢狼。
その昔少年と交わした約束を守りずっと村を見守ってきたホロ。
そしてこの村に行商人として何度も訪れていたロレンス。
村人のホロへの信仰が薄れる中、
役目がなくなったと北の故郷へ帰ることを望むホロは旅の行商人で
あるロレンスをその連れにと彼の前に姿を現します。
一緒に旅をすることになった二人の歩み、絆を描いていく物語です。
人間よりずっと長く生き、
その昔から人間の営みを観察してきたからなのか
とにかくホロが賢い、そして口達者なんです。
「わっちは・・・オスが口にする言葉を信じぬ」
長く人を見てきて人間の雄を幻惑するすべを知っているあざとさなのか
天然なのか!?立ち上がった耳、あのふさふさのしっぽふりふりが
とにかく可愛いらしいんです。
ウマ娘やキツネダンスじゃないけど、可愛い女の子に動物の耳としっぽ
付けっちゃったら男はいちころってことなんかい~~~><!?
ロレンスも駆け出しの行商人ではなくてそれなりに経験を
積んでる人物で、取引きで相手を出し抜いていく物語は、
毎回その過程はややこしさもあるんだけど、商売敵との知恵比べは、
解決したときの爽快感、面白さがあります。
経験を積んだロレンスですが、ホロに色恋だけでなくて商売でも
そのプライドをへし折られるようなこともあって、本気で悔しがったり
終始翻弄されるような感じです。
でもそのホロも元々彼の人なりを
知ってたからこそ旅のパートナーに選んだんだろうなってくらい
ロレンスに甘えることもあってなんだかんだ良いコンビなんだな~。
一緒にいて、こんなにも愛のある憎まれ口のたたき合い!?
言葉の掛け合いは聴いてて幸せな気分になるし、とても心地いいんです。
中盤での山場。メディオ商会、村の少女クロエとの対決。
「一人はあいた‥一人は寒い・・・一人は寂しい」
涙するホロ。
ずっと孤独を生きてきた辛さが浮かんで泣けました。
村の少女クロエに神の気まぐれに付き合うのはもうたくさんって決別を
告げられ、涙するホロ。
陰ながら散々村に尽くしてきたホロの悔し涙は切ないです。
「俺たちは商人だ、笑うときは儲かった時。泣くときは破産した時だ」
って彼女を励ますロレンスの優しさが胸にきます。
ロレンスと地下道を逃げるホロ。
追い詰められたホロがロレンスを優しく噛みつき生き血を吸います。
「もう見ないでくりゃれ・・」
巨大狼と化して敵を蹴散らす姿は迫力ありました。
神はいつだって理不尽だって叫ぶクロエの気持ちも分からなくは
ないんですけど、そんな彼女を殺さなかったホロの優しさが良かったです。
物語の後半は信用取引が失敗して大きな借金を抱えたロレンスの話。
恐ろしいのは狼よりもいつの時代も簡単に裏切る人間なのかな。
裏切った商人達に
殺されかけ、自らもボロボロになりながらもホロの服を
大事に抱え込んで倒れていたロレンスの姿を観て
「信じられぬほどお人好しじゃ!」って涙するホロ。
口では色々言いつつも、心は繋がっている。
そんな二人の強い絆が素敵でした。
今回みたいに商売の腕だけでは
とうにもならない危機が来た時、最後はホロの狼の力が助けてくれる。
お互いがとても良いパートナー関係で最後まで好感でした。
「じゃあ、お二人ともお幸せに!」
羊飼いのノーラーとの別れ、新たな旅立ちでの1期終了でした。
OP 旅の途中 / 清浦夏実
牧歌的で、どこか寂し気なんだけど、郷愁を感じるメロディーが
この作品にピタッとハマってる感じがして好きでした。
サビで重なる男性のコーラスが不思議と耳に残るんだよな~。
ED
英語の歌詞で素朴な曲調、挿絵はふんわりした優しさを感じました。
曲自体の印象はやや薄めだったかな。
ホロとロレンス。狼と香辛料。
なんかちょっと不思議だけどとても素敵な旅物語でした。