ねるる さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:----
笑いあり感動ありの記憶に残る名作!ホームレス3人と捨て子の赤ちゃんを中心とする群像劇
今敏監督作品。2003年劇場公開。上映時間92分。
~あらすじ~
東京の新宿に暮らす3人のホームレスは、クリスマスの夜にゴミ捨て場で赤ちゃんを拾う。3人が"清子"と名付けた赤ちゃんの親を探すために、東京を駆け巡るお話。
92分間ずっと面白い作品でした。
赤ちゃんの清子を巡って色んな人が絡み合った、テンポのいい群像劇。
現代社会の抱える問題。ホームレス、ヤクザ、不法滞在者、ホームレス狩りなど。暗くて闇深いテーマの中だけど、暗さはさほど感じずテンポよくコメディ感もありつつで物語が進んでいきます。
話に重みも深みもある中で、主要キャラ3人がなんだかんだ文句言いつつ一生懸命に清子のために、汗だく血だらけボロボロになりながら、走り回る姿が清々しくてとっても感動した。
走り回る中で、自ずと3人が逃げていた過去と向き合っていく事になる展開もとっても良かった。誰かのために頑張るって事は、自分のためにもなるって伝わってきてなんだか優しい気持ちにもなれる作品でした。素晴らしかった。
誰も優秀な人間はいなくて、全然完璧じゃないキャラクターばかり出てくるけど、その中でも一生懸命にがむしゃらに生きている姿に力強さ感じたし、この作品のキャラクターをとっても愛せました。汚くて弱い、けどしぶといっていう人間らしさが滲み出てて凄く良かった。
ベートヴェンの第9歓喜の歌を元にしてるED曲も良かった。歌詞がどうしようもないんだけど、アレンジされた第9の明るくゆるい曲調がこの作品を象徴するようで少し笑えるのが良い。
この作品は見てないと大損です。確実に見た方が良いです。超面白い。
絵面は決して綺麗じゃないけど、ハラハラ感有り笑いあり感動ありで、見終わったあとどこか清々しい気持ちになれる作品です。
たくさんの人オススメしたい作品となりました。