てとてと さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ふしぎ姉妹のシュールコメディー。ショートながら完成度が高いがやや惜しい
※作品データベース様より転載
【良い点】
作画がハイレベル。キャラデザは可愛らしく、狂気を孕んだ世界観描写やアクションもヌルヌル動き、アニメーションとして見応えある。
OPの出来が良い。和氣あず未&上田麗奈両氏の歌や、歌詞と映像演出が実は物語全般の伏線だった等。
声優陣もゲストヒロイン演じた山本真綺氏が素人ぽかったが全く問題ない。
夢の世界めいて何でもアリな世界観で繰り広げられる姉妹のコメディーが楽しく、ちょっぴり尊い。
天才児ぬるちゃんの孤独や闇を少しずつ仄めかし、ぺた姉に対する姉妹愛に繋げていた。
仄かに闇を感じさせつつも、過度にシリアスに傾かず、ハイテンションコメディーを維持していて見やすい。
姉妹愛の山場は4話〜5話、宇宙から生還する為にはぺた姉の記憶をリセットして再起動するか否か…尊かった。
最終話(12話)のオチも感動的。
可愛らしさとドタバタコメディーの裏で、徐々にこのセカイに対する秘密や違和感を仄めかす構成。
(本当にここは現実世界か?)(ぬる以外に人間は実在してるのか?)(実は仮想世界では…?)云々の憶測を呼び飽きさせない。
謎を小出しにしていき、終盤からラストのどんでん返しの真相も大いに意表突かれた。
世界観は概ね予想通りだったけれど、真相は見抜けなかった…お見事。
ショートアニメながら脚本が良質、毎話テンポ良く、通して見ても完成度が高い。
【悪い点】
ぺた姉の暗黒炒飯ネタ、ぬるちゃんの学校嫌いネタの二つが主流で、コメディーとしては引き出しが少ない。
狂気で押し切るコメディーも前半の方が勢いがあり、中盤以降慣れてしまうとやや地味に感じる。
世界観の謎も、後半以降ある程度推測出来てしまい底が見えてくる。初期程のドキドキ感は落ち着いてくる感じ。
ドラマのピークが4〜5話と最終話で、その他は姉妹愛や感動系として見てもあざとさが物足りない。
ぬるちゃんの箱庭世界での一人芝居な物語であり、ぺた姉は最終話以外はロボット、コメディーと姉妹愛双方の層は厚くなかった。
完成度は高いが、やはり5分ではコメディーとシリアス両立は掘り下げが物足りない。
【総合評価】7点
かなり良質なショートアニメ。自分的に2019秋の注目株だった。
評価はとても良いか非常に迷う。期待値が高過ぎたせいか、厳しいけれど「良い」で。
感動か萌えか狂気コメディーか、どれか一つ突き抜けていれば文句なしだった。