てとてと さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
江戸時代の古道具屋を舞台にした人情系。小説原作のNHKアニメ。全12話。
作品データベース様より転載
【良い点】
江戸の情緒や人情ありつつ、善意が基本で安心して見られる内容。善良でモラルが高く好感持てるキャラが多い。
主要キャラは良くも悪くも時代劇よりも現代っ子に近い感性で親しみやすい一方、江戸時代ならではの価値観の話も。
古道具屋の付喪神や物品を通しての人脈を生かし、1話完結のちょっとした探偵ものから人情味ある良い話が多い。
個性的な付喪神たちのやり取りが楽しいうえに、話が分かりやすい。
個別回の積み重ねやゲストとの交流が、後々メイン軸に生きてくる構成も上手い。
江戸の文化風俗が分かるのも興味深く、NHKアニメらしい教養要素も良質。
ヒロインのお紅さんは萌えアニメでは見ないタイプの素敵な女性。
テンプレなツンデレではない、芯の強い女性な感じ。
メイン軸も、主人公の青年清次が義理の従姉お紅に抱く仄かな恋心や、大店の若旦那・佐太郎のドラマがしっかり進行し完成度は中々。
江戸の商人ならではの背景を、仄かな恋心に生かしたストーリーは良かった。
【悪い点】
探偵物としては大味、予定調和。ややご都合感も。
人情系としても1話完結で掘り下げ足りず、予定調和。付喪神に情報収集依存する分、ゲストとの交流が削られていた感も。
探偵物、人情系、恋愛要素、いずれも良い内容な一方で、どの要素も少しずつ物足りない。
総じて安定感はあるけれど地味なアニメ。
付喪神たちのキャラは立ってはいたが、やや騒がしかった。
主人公が煮え切らない態度や嫉妬深い側面あり、ややストレス感。
なんとなく、女性向けキャラクター小説的なキャラ造形、嫌いという程ではないが、苦手を感じる。
ラブコメも、機微がやや複雑。
【総合評価】6~5点
広い層に安心して見せられそうな、NHKの佳作。
程々に良い内容なんだけど、程々の域は出ない感じ。
評価は普通寄りの「良い」