take_0(ゼロ) さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「おっさんの目にはまぁ~ぶしすぎらぁ~」
この作品は、原作を追っていた作品。
原作の方は、現在進行形で追ってはいるものの、少し複雑になりすぎてきたかな感を感じている。
とは言え、このアニメ作品についての感想を書くとしよう、そうしよう。
さて、今作。
この作者さんのアニメ作品は「だがしかし」についで2作目かな。あちらも独特の着眼点と独特の雰囲気、間というか余白を持った作品で面白かったです。
私的には好きな作品でした。
今作の主人公:夜守コウ君は、立派な小僧中学生です。
そして、吸血鬼の七草ナズナと出会う事になって、自身も吸血鬼になりたい、という思いを持った・・・から始まる物語です。
しかし、結論から言うと、今作(いや今期と言ってもいいのだろうか)では、まだ何も始まっていないし、何者にもなれていないというのが私の印象です。
原作の進行を知っている身としても、今作だけでみたとしても序盤も序盤、コウ君とナズナの物語はなーんにも始まっていない感を感じています。
ま、キャラ見せと設定、舞台装置、雰囲気のお披露目ってところです。
と言ってしまえばそこまでなのですが、それでも興味深く、おもしろく、いい感じに見せてくるところが原作者さんのセンスとアニメ制作の皆様のご尽力と素直に思っています。
きっかけはあるにせよ、学校へ行かなくなり、なんとなくつまらない生活をおくっていたコウ君、夜に出歩くという解放感と非日常感の中で、さらに「吸血鬼」という存在に出合ってしまったことから、自身も吸血鬼になりたいと思った⇒吸血鬼になるにはナズナを好きになる事が必要、的なストーリー進行なのですが、これは、後になって物語の途中で語られる「単なる非日常への欲求」と言ってしまえばそれまで。
ただ、私はこの作品を観て、ジュブナイル的な感覚を覚えたのです。
それがレビュータイトルにある「おっさんの目にはまぁ~ぶしすぎらぁ~」by山田康夫風です。
ま、オッサンだから仕方ないのですが、こういう感覚増えちゃいますねぇ、感じる事。
なんて言うか、この作品を観て邦画の「天城越え」とか「泥の川」とかを思い出しちゃったんですよねぇ。
いや、オッサンの本領発揮でスイマセン。
まぁ、簡単に言うと「少年が年上のきれいなおねいさんや女性に憧れる、とか特別な感情を抱く」的な要素を含む作品なんですけど、この延長戦として人間であるコウ君が吸血鬼に憧れる的なつながりとか。
まぁ、この年代の小僧っていうのはそんなもんなんで・・・、もっと言えば、こういう「厨二病」的な妄想するもんですよ、ね、同性のかつての小僧たち。
あとー、雰囲気を感じて思い出したのは「エウレカセブン」。
これは、この作品の歌も合わせてのノリ的な部分が大きそうだけど、やっぱりジュブナイル的なボーイミーツガール的な部分を重ねてしまった気がしています。
ぐだぐだと雰囲気話をしてしまいましたが、第一所感、一番強烈な所感はこれでした。
その他は~、
作画がきれいでしたねー。
キャラ絵は原作者さん由来のほんの少しクセのある感じなのですが、おねいさんたちがどれもキレイでしたしw。
どのキャラも、ちょっと個性的な面が強く出ていて楽しかったです。
ちょっと、おねいさんじゃない人も混ざっていたけれど・・・ま、昨今そこを言うのはナシにしておきましょうか。
唐突ですが、私の推しキャラベスト3は
1.鶯 餡子:上手い声優さんとあいまって、独特の雰囲気、口調、ギャップ、どれもとても興味深い。関わり合いになりたいかどうかで言うと・・・う~ん、半々かな。
2.白河清澄:なんかフツーで好きでした。
3.朝井アキラ:同級生として、隣に居たらフツーに楽しそう。アゲアゲな楽しそうじゃなくって安心感が同居した楽しそう、かな。
番外、桔梗セリ:サイトの紹介では恋愛ビッチとの紹介だけれども・・・今作中のエピソードでは・・・。ってか戸松かよっ!!って失礼しました。アベマなTVのコメント欄のまねをしてみましたwww。
ってか、この作品声優さんの充実っぷりすごいですよね、素直に思う。
そうですねぇ、あとはやっぱり特筆すべきは夜の描き方と夜空の描き方でしょうねぇ。
これは、作品中の重要な要素でもあり、雰囲気を司る大事なポイントなので、本当に繊細に、いろいろなことを考慮して描かれていたと思います。
すべては「夜」を魅力的に見せるためでしょう。
そして、この「夜」には夜にうごめくキャラクタ達も含まれているはずです。
星の川が流れる夜空の描き方は美しく、紫やオレンジに描かれた夜はとても怪しく魅力的でした。
さてと、この作品。
とても丁寧に描かれ、ちょっとクセはあるけれども魅力的なキャラクタが揃い、今作だけでも楽しめたとは思うのですが、吸血鬼と人間のあれやこれやな物語はまだまだ序盤です。
今後の作品があるとしたら、楽しみに待ちたい作品ではあると思います。
機会がありましたら、一度ご覧くださいませ。