waon.n さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ワンピースと谷口悟朗のマリアージュ
【First】
映画館で観たかった筆頭です。めっちゃ後悔してます。
この後悔は開幕15分位でおとずれます。そこまででも観てみてもらえると嬉しんぼ。
【Review】
原作は国民的漫画のワンピースでオリジナル劇場版です。
ワンピースは途中で脱落してしまった勢の私ですが、去年かなり話題になっていて、良いらしいとは聞いていましたが、十数年読んで来なかったので、登場キャラ分からない。
ってことで、映画館での視聴は避けていたのですが、Amazonプライムで見る事ができると知り、ページを開いたところ監督の名前に谷口悟朗と書いてありました。
私の知ってるワンピースと谷口悟朗は果たしてマリアージュになるのか…? という興味が湧きまくりまして、本当に初期キャラくらいしか知らないけど観てみました。
端的に行って、面白かった。
最初はAdoさんの歌から始まったりして、商業臭がしたので、ん~? となったのですが、いやいやしっかりとストーリーに絡んで上手くワンピースの世界観と繋がっていて、数分後にはその下世話な臭いは私から出た錆びだったと切り捨てました。
谷口悟朗らしさって何
私は『無限のリヴァイアス』って作品が結構好きなんですよ。
んでその監督が谷口悟朗さん。
内容はジュブナイル系の作品で、大人との対立だったり子供から大人へみたいなテーマをぶち込んで胸を痛めながら見るという作品。
ただ気持ちいいだけじゃないのがのこ監督の作品の良い所であります。
他にも、『コードギアス 反逆のルルーシュ』『スクライド』『プラネテス』と名作を手掛ける監督ですね。
彼の作品を見ていると痛いなって思う所が多く、時には胸が張り裂けそうになる。現実の世界で安定した生活を送るという事はそういう痛みから避けて生きるという事で、それに成功している人たちは、こういった作品で痛みを求めているところもあるかと思います。自傷により自分の存在を規定するとかってことですかね。
今回の作品もこういった【痛み】の要素がよく脚本で描かれており、演出面でもその怖さや痛さ、そして楽しさを表現されていました。係わったスタッフの優秀さがとても感じられる良い作品でした。
テーマ的な所
現実の辛さと夢の虚構の二律背反かな
前述してある、痛さというのが、このワンピースの世界の闇の部分である、海賊の被害者を最初に点描していく。主人公のルフィ達も人々の生活を脅かしている海賊であり、悪のなんだという事をまず認識させている。
ここがすでに私の知るワンピースには無いくて、そういう負の部分が描かれないから漫画の作品から離れた理由の一つでもある。
まず、ここを描いたという点で高評価をしたいまである。
ウタっていうキャラの歌声(能力)によって辛い現実を忘れ、夢のような楽しい時間を過ごすことができる。
もしそれに終わりが無くて、永遠だったら…?
人は現実とどこか繋がっているから自分を規定できる。夢のような世界が現実なのかどうか。
社会性から考えると、ネットは現実なのか夢なのか。SNSは現実なのか夢なのか。現実に繋がるための手段でもあるネットという能力は使用する側になるか、される側になるのか…。
使っている気になっていつの間にか使われるようになっていないか、無意識にTwitterを開いてしまったり、インスタを開いてしまったりしていないか。このように投げかけられているように感じる瞬間がこの映画にはあったと感じました。
しかも、そこには恐怖があり、このままだったらどうなるんだろうっていう恐怖です。
時を同じくしてネットリテラシーが叫ばれる昨今、皮肉にもSNSでの炎上が現実に降りかかってしまいました。ネットは現実ではない。だからといって、夢というわけでもない。
是非こういった繋がりをこの映画を観て感じてもらえたら良いなと感じました。
【あとに】
最初にも書いてますが、本当に劇場版で観たかったよ!
んでも、多分谷口悟朗監督作品だと知っていても、映画館で観ていなかったかもしれん…ワンピースが嫌いとかじゃなくて、中途半端な知識で観て楽しめなかった時の後悔が怖くて。
しかし、本当にワンピースは色んなキャラが出てきますね。
個性を出すために必死なのか安直なのか…んでもあのわちゃわちゃ感は面白いですね。どういう能力が~みたいなのも分からんですが、バリアーの奴あのポーズしてなきゃ使えないのかな? 謎の縛りに笑えるw
刀使ってるボーズ頭の奴(ゾロじゃない)の声が神谷さんでなるほど、人気なキャラなんですね!って分かるのとか突然出てきたのが付き合いでみたいなので済ますのとかノリの良さがワンピースはだなぁって、そういうたのしさもあったりしました。
いつか、、、、読破したいかも?