螺旋常連からくり剣豪 さんの感想・評価
2.6
物語 : 2.0
作画 : 1.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
満遍なく微妙な作品。意欲的な部分は多いのでそこは買いたい。
銃を突きつけ合うところから始まる男女の殺し屋二人のラブコメという、一風変わった切り口のアニメ。漫画原作。
全体的にストーリーも作画も絶妙に微妙という、低空飛行の基本を押さえた作品で、悪くはないけど別に良くもない仕上がりになっています。
ストーリーは基盤が意欲的ではあるもののツッコミどころが多く、挙句尻切れトンボ。キャラクターにも難あり。
主人公のシャトーが殺し屋なのに異様に弱い。フィジカルが弱いだけならまだしも頭脳戦すらど素人同然なので、毎回ヒーロー役のリャンハに助けられてばっかりで彼女の戦闘は全く見所が無い。馬鹿正直に人質をとっている相手に正面から挑んで返り討ちにされたり、予想していたリスクを対策せず放置して弱みを握られてリャンハを無力化するための駒にされたり、挙句モブにあっさり組み伏せられる始末。殺し屋なのにここまで頭や体が弱いのは流石に問題かと。
リャンハの方はストーカーみたいなシャトーへの粘着ぶりを見せる癖の強いキャラですが、キャラとしては何もできないシャトーよりは活躍しており、はるかにカッコいいと思いました。
敵もシャトーの方からあっさり自滅してきたり、そもそも詰めが異様に甘かったりで魅力が無い。シャトーとリャンハに恋の試練を与えるだけのただの舞台装置です。
ストーリーは端的に言ってお粗末。シャトーが捕まっていた車が密閉されておらず、爆発から簡単に逃れられたり、殺しのプロのくせにガラス越しの弾道ごときを見誤って暗殺に失敗したり、ホーがバイクでシャトーの車に密着し過ぎて逆にぶつけられるとか枚挙に暇が無い。
一つの目玉のはずのアクションも作画が微妙なせいで面白くはないです。ただプラチナビジョンの得意分野(?)である暗めの色合い自体は作品の雰囲気に合っています。
過去編を絡めたシャトーとリャンハの関係の謎に迫る展開の仕方はどちらかというと良い感じ。全体的にブラッシュアップしてればこの点は立派な武器になったと思う。
意欲的なストーリー展開ではあるんですが、いかんせん細かいところやアニメーションがお粗末なせいで埋もれてしまった作品と言えるでしょう。