てとてと さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
母と息子の異色のゲーム世界コメディー。良作とは言い難いがオンリーワンな魅力あり
ラノベ原作のコメディー。ゲーム内設定は実質的に異世界コメディー、母親との関係を題材にした異色の作風。
※作品データベース様より転載
【良い点】
前例の無いオリジナリティー。
母親と息子が一緒にゲーム世界で冒険するコメディーは良くも悪くも他に無い。
ゲーム設定は単純になんでもアリ冒険コメディーの舞台装置として、深く考えずに主人公・真人、の母・真々子が大暴れするのをお気楽に見ていられる。
良くも悪くもB級に徹した雰囲気、固有名詞やモブの適当感など、最初から良作たる事を放棄している。
真人の投げやりなキャラクター。適度にマザコンで適度に反発、適度に悩んだりツッコミ入れたり、特記すべき主人公というわけではないが、彼の適度な性格が本作の肝だった。
真々子よりも彼の方が精神的に包容力がありそう。
冷静に見るとキツ過ぎるシチュエーションを何とか見ていられるのは、この主人公ならではだろう。
主要パーティーもどこかしらザンネンさがあり、そこそこ面白い。
ポータが本作で唯一可愛かった。
驚くほどにラブコメ要素が無いのは良し悪しあり。
お約束なパターンが早々に確立しており、コメディーとしては安定感がある。
母無双や母親あるあるネタはもちろん、ワイズがポンコツだったり、シラーセさんの口癖や死に芸などなど。
終盤ボスのアマンテのベタなアホの子っぷりなど、大笑いはできないが、妙な安心感がある。
キャッチャーなOPとED。
アニソンらしい曲調でテーマもよく伝わってくる。
【悪い点】
母親と子供の関係性というテーマで見ると出来が悪い。
ワイズ母もメディママも、改心や関係性好転が強引で説得力が無い。
真々子のキャラクターも記号的で、理想の母親を模したロボットのように見える。
真人との関係は終始安定し過ぎていて成長が見られない。
メディママ編を長々と引っ張り過ぎて冗長。
それなりに面白くはあったが、飽きる。
コメディーは安定感はあるが、パワー不足。意外性や盛り上がりに乏しい。
題材を生かしたブッ飛んだギャグやコメディーには至らず、何となく面白いかな?程度。
キャラデザが微妙。
見た目の可愛さは十分だが真々子の目に人間味感じなかったり、ポータ以外の女の子もなんとか及第点程度。
萌え方面での楽しみ所も稀薄。
【総合評価】5~6点
独自性のある題材、コンセプトだけで一定の評価ができる。
親子関係の真摯な要素は微妙だったが、コメディーとしてはメディママ編の一部以外は特に不快感は無く、安定していた。
良い意味でのB級コメディー。
良作か駄作かと問われれば駄作寄りではあるが、ニコニコ動画でそこそこの好評を博しただけの特有の魅力はあった。
評価は非常に甘いのを承知で「良い」
ちなみに実写映画だと「ファイナルファンタジー 光のお父さん」という、父と息子がネトゲで共に冒険する良作がある。
親子関係というテーマでは比較にならぬほど優劣があるものの、こちらはこちらで毎話楽しめたし、それぞれの良さがある。