かしろん さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

SNへの繋ぎとしては最高だが

排水路奥の魔術工房を破壊されたキャスターは悟る。自身への包囲網がどんどん狭まっていくことを。そして、神への新しい形の信心を見せる龍之介へ、最後の、最高のＣＯＯＬを見せる決心をする。
未遠川にて螺湮城教本を元に召喚される巨大海魔。
それに立ち向かうべく共闘を約すセイバー、ランサー、ライダー。海魔が陸に上がり人を捕食し自ら魔力を得出す前にケリをつけなければならない。
ゴルディアス・ホイールにより天翔けるライダー。
妖精の加護により水面を駆けるセイバー。
一撃必中の機会を待つランサー。
こうして、戦端は開かれた。


好評を博したfate/zeroの分割２期目。
虚淵玄小説原作。未読。
なんだかんだで楽しめた１クール☓２だった。
ＳＮへの繋ぎとしては最高だったが、単体で見ると、どうしても最後の盛り上がりに物足りなさを感じてしまう。
内容も走り気味だし、セル版補完の悪い見本になりかねないが・・・


物語：最後まで見てもスカッとはしない。
言い方は悪いが、所詮はＳＮへの繋ぎの話なのだ。どうしてもカタルシスを得られるような物語にならない。ラスボスのギルガメッシュとは刃を交えることも無いし、綺礼との決着はＳＮだし、仕方がないのだが、尻切れトンボ感は否めない。
また、外道っぷりは非常に良いのだが、切嗣が主人公ということで、謀略暗殺が主になるため、ドッカンドッカンという盛り上げ役的な派手なバトルにならない。
全体の展開では、前半でのリタイヤはアサシンのみ、ということで、後半は毎話誰かが死んでいく忙しい内容。人の生の呆気なさは描けているがあまりに呆気なさ過ぎる。１クール☓２という映像展開で３ヶ月の間が開いてしまったことで、余計にソレを感じてしまう。
その辺から、大きな盛り上がりに欠け、物語を見終えた感が足りなく感じてしまう。
最後は、蛇足になりかねないが、士郎を登場させたのだから、土蔵で士郎に向かって
「問おう、貴方が私のマスターか」
で終わり、ＳＮへのつながっていく感を過剰に感じさせても良かったかも。
最後にポニテ大河をチラっと登場させる遊び心は良い。

作画：１期は終わり頃に不安定さを見せたが、空けた３ヶ月が効いたか、最後まで素晴らしい画だった。

声優：全般的には良いのだが、過去編の切嗣は声優３人つかって青年期を誰かに任せても良かったような。
折角の「ばかやろー！」がギャグに聞こえる。

音楽：ＯＰＥＤとも良曲。特にＯＰ「to the beginning」は良曲。劇中曲も梶浦節が画に合っている。

キャラ：話が走りすぎ、その死が呆気無く感じてしまうので、キャラに対して感情を懐きにくい。
ライダー組は最後まで良い味を出していた。