てとてと さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
怪盗少女のホームドラマ路線の異能バトル。作画さえ良ければ悪くなかった
「迷い猫オーバーラン」や「パパのいうことを聞きなさい」の作者によるライトノベル原作。
異能アイテム駆使する怪盗一家のお話。
※作品データベース様より転載
【良い点】
異能を秘めたアーティファクトで悪と戦う怪盗姉妹のホームドラマ的な作風。
アーティファクトを悪党に渡さないためと、不在な母親に会いたいという目的意識あり物語の構図が分かり易い。
ヒロイン・ハテナの成長ドラマになっている。
妹のユメミとの確執を経て姉妹双方が成長し絆を深める流れも尊い。
星里家のホームドラマとして良い感じ、アーティファクトを巡る戦いを通して各キャラをしっかり掘り下げている。
後半はイジワルな敵と思われたマライヤおばさんの真意が明かされ、過去回想でのメイドとの絆が判明するなど、キャラドラマが良い。
姉妹の父やグレゴリー師匠など大人の男性陣も存在感ある。世代間の関係性が丁寧な作品は少ない。
全般的に星里家関係者の家族的な雰囲気は良く描かれている。
作画は全般的には劣悪ながら、要所では魅力出せている。
6話のスライム責めや7話の水行、12話の拘束電気責めなどのフェチエロシーンの作画「だけ」は妙に気合が入っている。
「とみとみスライム」なネーミングは笑える。
ラストのハテナの笑顔が可愛いなど、乏しい作画リソースを一点集中出来ている点は高評価。
異能バトルでは終盤の駆け引きは中々良かった。
ラストも家族の絆や新たな決意で前向き後味良し。
放送の時間は空いたが無事完結出来たのも評価。
OPなど楽曲は中々。
【悪い点】
作画が拙い。原作絵が矢吹健太朗イラストなだけに、比較して著しく見劣りする。
キャラデザだけでなく、静止画が崩れていたり、細かい表情変化などの感情表現が不自然な箇所多々。
監督は日本人だが中国の制作会社らしく、作画水準が日本製アニメの水準に達していない。
(局所的に魅せる絵はあるので作画2+0.5)
ハテナが序盤の頃はツンデレというよりもピリピリしている感じであまり可愛くない。
マコトとの関係もバトルを通してパートナーとなっていくが分かりづらい、ラブコメ的に平坦。
マコトは悪くはない男子ではあるが、地味。
コメディー的な楽しさも地味。
異能バトルもさほど外連味が無い。
キャラドラマ以外のストーリーが単調。
星里本家やら悪の組織やら仄めかされるが、やっている事は似たような怪盗稼業でワンパターン。
未熟なハテナの修行の為の怪盗チャレンジが続く。
終盤ようやく盛り上がってくるが遅い。
【総合評価】4~3点
怪盗少女の成長ドラマとしては悪くはない内容。
原作劣化とはいえ、乏しいリソースで精一杯やり切った、キャラも話も好感持てるので、最低限の出来はある。
評価は悪い系が妥当だとは思いつつ、好意的に「普通」