ローズ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
古典芸能
歌舞伎が大好きな高校生の来栖黒悟。
来栖は歌舞伎同好会を作るために、親友の村瀬とんぼと一緒にメンバーを勧誘するのであった。
歌舞伎は江戸時代の庶民の娯楽でした。
令和の時代に残っている歌舞伎はどうでしょうか。
確かに場面によっては、カッコいい所はありますね。
しかし、セリフなどは御世辞にも聞き取りやすいとは言えません。
日本の伝統文化として後世に残った歌舞伎。
観客側も江戸時代の舞台を想像するだけではなく、
過去の日本の生活を知っていないと理解できない場面も多いでしょう。
歌舞伎部(同好会)の活動は歌舞伎を演じて楽しむ事。
歌舞伎の敷居は高いかもですが、学校の部活レベルと考えたらハードルは下がります。
作中では女性が役者をしていますからね。
歌舞伎の伝統よりも、歌舞伎の楽しさや魅力を分かりやすく伝えたいのだと思います。
歌舞伎は江戸時代初期の出雲阿国が発祥と伝えられています。
出雲阿国は女性です。
江戸幕府からの命令で、歌舞伎から女性や若い男性は取り除かれて野郎歌舞伎となります。
その野郎歌舞伎が、現在の歌舞伎の流れを汲んでいますね。
さすがに子役を演じるのは無理ですが、女性を演じるのも成年男性。
どんな役も演じて表現するのが役者ですから。
私は歌舞伎だけで部活ができるのか、疑問に思っていました。
体育系や文化系の部活には大会があり、その大会を目標にして活動する、という作品は多いですから。
勿論、歌舞伎には大会はありません。
作中で歌舞伎を演じた活動は、施設訪問・文化祭・新入生歓迎会の3つです。
部(同好会)としての活動のメインは文化祭でしょうね。
文化祭では、現代風のアレンジと古典の二部制に。
観客に歌舞伎の魅力を伝える事に重点を置いた結果でした。
歌舞伎を部活にできるのだったら、宝塚やシェークスピアも部活にできるのかな?
歌舞伎を日本の古典演劇だと考えたら、普通の演劇部でも良さそうです。
しかし、歌舞伎に重点を置きたい本作品。
たしかに歌舞伎の部活化は現実的では無いかもしれませんが、
親しみやすい日本の古典演劇と表現したいのであれば、学校の部活でも紹介しやすいです。
伝統文化を守る事は大事ですが、歌舞伎は娯楽として楽しむもの。
昔から形式ばった堅苦しいものではないのです。
ED曲にカブキロックスを選ぶセンスは安直過ぎると思いますが……
さてさて、幕の内弁当を食べながら本作品を視聴しましょうか。