てとてと さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
縮小劣化版銀英伝?捨て難い良さはあるものの、中途半端
銀河英雄伝説と同じ作者のスペースオペラ。(原作既読)
※作品データベース様より転載
【良い点】
スぺオペの雰囲気自体は良い。尺が26話と適度で取っつき易い。
銀河を支配するタイタニアという超大国に、弱小な主人公らが立ち向かうという分かり易い流れ。
タイタニア側も次代を担う若き公爵たちのドラマが中々面白かったり、勧善懲悪というわけでもない。
キャラクターもドラマも、タイタニアの四公爵サイドの群像劇の方が見所があった印象。
バランスの取れた見識持つジュスラン卿と、敗北から学んで成長していくアリアバート卿の友情が良い。
更に若いバルアミー卿と、聡明な幼女リディア姫との微笑ましい関係などなど。
特にリディア姫はかなり可愛い。キングゲイナーのアナ姫に匹敵する聡明な幼女姫。名塚佳織氏の幼女姫絶品。
叛逆サイドのヒューリック側の反乱軍の仲間たちな雰囲気も悪くはなかった、愛する女性を失うなど分かり易い展開。
作画はキャラデザが綺麗で艦隊戦もCG用いてかなりの迫力。
アニメーションとしては申し分ない。
艦隊戦は少ないが、少ない艦隊戦にそれなりの見せ場はある。
楽曲はオーケストラ調の壮大なOPが記憶に残る。
【悪い点】
話のスケールが小さいというか、あまりにも非対称戦過ぎて対決の構図すら作れていない。
ヒューリック達反乱軍がまともな勢力を形成出来ておらず、ただ漫然と逃亡続けるだけで地味。
タイタニア側のドラマは面白くはあるが内輪話中心。
タイタニアという巨大勢力の趨勢で銀河の歴史が動く!的な作品コンセプトは企画倒れだった。
キャラクターの華も地味。
タイタニア側はそれなりに面白そうな人物描画だったが、ヒューリックに魅力が乏しい。
特に理念も無く、戦術も奇策頼み。
艦隊戦が地味という以前に、まともな見せ場すら怪しい。
初戦のヒューリックの奇策はまぁまぁだけど一発ネタ、以降は逃亡続けるだけでまともな艦隊戦にすらならない。
次の艦隊戦がアリアバート対モブ、王道的な良さはあったが地味すぎる。
26話通してまともな艦隊戦の見せ場が乏しく、終盤に至っては陸のゲリラ戦で猛将ザーリッシュ卿が討たれてしまい興醒め。
(遊 戯 王ARC-Vでデュエルすらさせてもらえず退場させられたようなもの)
ここで中途半端に終了、2期もまず望めないと思われる。(監督が亡くなっている)
【総合評価】4点
大幅劣化銀英伝。
ただ劣化とはいえアニメーションが綺麗でスペースオペラの形にはなっているので、悪いという程でも。
グダグダさも、まだ序章の段階と見ればまぁ許せる。(アニメも原作も結局序章から抜け出せず終了したけれど)
リディアちゃんの可愛さに免じて評価は甘めに「普通」
原作もラストまで既読だけど、仮にアニメの続編作られたとしてもやっぱり微妙になりそう。
続編あればアリアバート卿が大活躍する展開は面白いはずだけど、以降が盛り下がるのは必至…