てとてと さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
猟奇的脱出ゲームでお姫様と王子様?展開は単調だが捨て難い魅力はある
ホラーゲーム原作で全16話。虚無的美少女とツンデレ殺人鬼のコンビが殺人脱出ゲームに挑んでいく感じ。
※作品データベース様より転載
【良い点】
作品全般から漂う猟奇的かつ幻想的な雰囲気。
どういう状況かは分からずとも、シチュエーションとキャラクターの魅力だけでも惹き付けるものがある。
猟奇的な状況から脱出を図る過程での緊迫感と、二人の掛け合いや関係性。
ヒロイン・レイチェルの可愛さ。金髪碧眼で感情的に死んでいる美少女。
私を殺してほしいと願いつつも機転利かせてザックを救ったり、色々と揺さぶられて迷ったり。
殺人鬼のザックも露悪的に振る舞ってはいるが(少なくともレイチェルに対しては)明らかに良い奴、声優も相まってアクセラレータっぽさを感じる男。
この二人の独特な関係性が、歪んではいるがロマンチックで良い感じ。
歪だが尊いカップルに思えてくる。
レイチェルを執拗に狙う変態たちの狂人っぷりがおもしれー奴ら。
演出も演劇調で、猟奇的かつ幻想的な雰囲気に一役買っている。
次第に明かされてくるレイチェルの記憶の秘密、レイチェルの葛藤がドラマの見所に。
【悪い点】
展開が単調。
序盤こそインパクトのある舞台設定と展開に惹かれるが、以降はひたすら似たような展開(レイチェル「私を殺して」ザック「脱出出来たらな!」敵「レイチェルは私のもの云々…」)で飽きてくる。
ザックが普通死ぬような大怪我→レイチェル心配するが何故かしぶとく平気、の繰り返しで単調。
レイチェルとザックの関係性も序盤で完成していて、途中少しは揺さぶられるものの、最終的に強い絆かどうかは分かり難い。
レイチェルやザックに執着する変態たちのキャラ自体は面白いが、繰り返されるとやや飽きてくる。
敵の思いのままの謎ルールで弄ばれる展開が続いて受動的になりがち。
良い点と裏腹だが、演劇調の演出も繰り返されると茶番な感じがしてくる。
レイチェルやザックの記憶にまつわる謎も思わせぶりに深めておきながら、ラストまでうやむや。
【総合評価】4~3点
作風、雰囲気自体はとても好みだったが、通して見ると単調で飽きがきてしまう内容だった。
全16話は長すぎる、短編映画だったら丁度良かったかも。
それでも独特で一定の魅力は持ち続けていて捨て難い作品。
評価は「普通」