waon.n さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
アーニャ可愛いよアーニャ
【Review】
社会現象…は言いすぎか、しかしまぁブームくらいにはなっていたかもしれませんね。乗るしかねぇこのビックウェーブに! という事でまんまと可愛いラインスタンプとか購入してアーニャのスタンプ連打です。
じゃあ、この作品に乗れていたのかと言えば、そんなことは無くて…原作の問題なんですが、作品を構成する要素が煩雑に散りばめられていて、作者自身がそれとなく扱っていて、アニメでは観ていて、漫画も読んでみてもやっぱり物足りなさを感じてしまうんですよね。
それは一体なんでなんだ! こんなにアーニャ可愛いじゃんかお前ラインのスタンプ押さない日はないだろ? いやいやみたいな問答を自分の中で何度もやり取りしなければならなくなってしまいました。
ってことで、個人的にイマイチ乘れなかった点について。
キャラの魅力では世界観を創れません。
この世界観のモデルは明らかに東西分断された冷戦時のドイツ…ですよね?
作者的には架空だといくら言っても、ボールは丸くて四角には絶対ならないように、この設定に放り込まれたら連想するでしょう? もし、それさえ否定しようものならバカにされているとしか思えないなー、どうなんじゃろ?
ってことで決め打ちでこの前提は外しません。世はまさにスパイ大国時代! みたいなノリですし、この味付けが薄口になっているんですよね。
そうなると個人的には社会主義萌えが無くて物足りなくなるんです。
ストーリー的には本当に時折って感じで取ってつけたようなタイミングで雰囲気出していくんですが…物語に絡んでなくて浮いちゃっているんですがこれいかに。アニメ化された時点でどうにかするかない…と思っていたのですが。
背景さんとかの話ではなく、監督の意図したものになっていないか、監督の意図がもうキャラ推しで行く! ってことなのか分かりませんが、ちゃんと描けてないですよね。
『善き人の為のソナタ』という作品があったり、こういったスパイものは一時代を映画で築いてきた歴史があるので、色々と参考にしてもらいたいし、なんていうか設定制作お願いしますよ~って気持ちになります。
となんか文句みたいな事を書き連ねていますが、また片一方ではアーニャの魅力を引き出すにはこっちのバランス感覚で正解だったと思います。
ジレンマが半端ない。
作家性をとるか原作の魅力をそのまま引き出すかの二択―――アーニャかリアリティかギャグかシリアスか。
これは本当にバランス感が難しいと思います。何なら脚本家の手癖でもって方向性にブレが出てしまうかもしれないですね、シナリオ会議は大荒れだったりしたら面白いな。
押井風か水島風かみたいなw
好き勝手書きましたが、世界的に可愛いは正義らしいですし、私も迎合してしまったので、これが正解だったと思います。
ギャグアニメとして見てみるとなかなか面白かったです。
アクションの作画も演出もカッコ良かった! 作画面については全く文句はないです。
キャラデザはあんまり好きくなかったとか贅沢ですよね、すみません。。。
ってことで大絶賛という感じではないですが、好きです、大好きよ。だからこそっていう感じのレビューです。続編も楽しみにしています!
【あとに】
スパイものっていう味付けについて、続編が出た時に濃ゆくされてもちょっともう嫌ですよね。
あのデフォルメ感が安心してアーニャを見守れるんだろうなと、正直思います。
あと決して社会主義になってほしいとかいう事ではないです。民主主義バンザイ\(^o^)/
歴史の先からあの頃を見た時に縛り付けられる人の苦悩だとか、本来あってはならなかったような事件は数多くあって、闇に葬りされているものもあるでしょう。過去を今に感じるという意味で、私はあの時代の統率力を映画などで見ると萌えを感じる。一つの意志が全体を動かす力にロマンを感じる一方で一番感じる恐怖に萌える。
メメントモリとまでは言わないですが、怖いと感じる事が大事なこの世の中だなぁと感じているので、疑似体験できる映画やアニメなどの創造物は大事にしていきたい今日この頃でした。
では、よしなに。