ハニワピンコ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
引き出し、混ざり合って共鳴する
ド直球に3人の関係性やジャズバンドを組んで一緒に演奏していく中でのそれぞれの思いやバンドとしての活動を描き切って、圧倒的熱量で圧巻させてくる作品
演出はあまりにも立川監督風味というか、『モブサイコ』シリーズで見たいようなエフェクトや、臨場感を得られるような1コマモーションなんかは個人的には『モブサイコ』シリーズだからこそサイケデリックな感じと合っていて独特ながらとても好きな演出と位置付けて堪能しきったので、この音楽作品ではちょっと予想外だった。でも、臨場感やその場の熱量をアニメとして見せてこようとするという意気込みはめちゃくちゃ伝わった
けどCGIのモデリングもモーションも結構浮いてたのが勿体なかった。手だけとかだと悪くは無いんだけど、体を写して動かすと、ステージの変化する明暗と比べてあまりに影や反射が一定すぎるのがめちゃくちゃ目立ってた。難しい。かと言って『四月は君の嘘』みたいに上からの線画で描き直したみたいなのも大変だし、実写映画みたいな大雑把な調整でも意外となんとかなったりしない、2Dアニメ絵っぽい3DCGってそりゃ難しいよ
3人の関係がめちゃくちゃ良い形で続いて物語が展開していき、そして最後に終わっていくあの構成は凄くて、最初から言っていた「ずっと同じバンドじゃない」「喰っていく」というセリフがここまで綺麗に回収されるとは思わなかった
3人でバンドしていた時も素晴らしかったという描き方、あの青い空間はあの3人だから築けた。でも大は一人でもっと高い所へ行ける。その潮時を2人が理解している故のラストの引きはめちゃくちゃ好き
音楽はどれも凄かった。ただ盛り上がる部分だけを聞かせるんじゃ無い繊細な調整で全パート聴き入る事が出来て、演奏中にその世界に入り込むのにとても大きな役割を果たしてくれた
声優も、実写畑の若手俳優が演じる劇場版ありがちなやつだけど、3人全員良かった。特に大と玉田の微妙に残ってる田舎育ち感がクリア過ぎない舌足らずな演技が合ってたし、反対に沢辺は流暢なクリアでカッコいい演技が出来る人でちゃんと選んでたと思う
そんな感じで、題材と題名以外は全く知らない作品ながら凄い作品だと聞いていて、とても期待していた映画をドルビーの拘った音質で堪能し切ったけれど、サイコーだったね。独特ながら凄い演奏演出を大画面で拘った音質で見るのが良いと思います。劇場へ急げ