てとてと さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

吸血鬼ホラーギャグ。ベテラン声優の一人芝居が笑える

吸血鬼ホラーアクションの金字塔…にしてネタ漫画としても知られる彼岸島の、ギャグ面を強調した3分コメディー。
※作品データベース様より転載

【良い点】
彼岸島のギャグ漫画の側面を露骨に押し出したホラーシュールコメディーのノリが笑える。
原作からして大真面目なホラーアクションの名作であって、別にふざけたギャグ漫画ではない(…はず)?
しかし、あまりにも天才的なセンスにより、読者の間でネタ作品として定評を得ているのも事実。
潔く全力でおふざけに走ったのは拍手喝采したい。

「みんな丸太は持ったか!いくぞォ!」
「灯油あったよ!」「でかした!」
等々の有名な迷台詞や珍場面の数々がてんこ盛り。

スプラッターホラーコメディーとして見ても、テンポが抜群に良く、声優陣の熱演も相まって笑わせてくれる。
雑魚吸血鬼が1シーンで瞬殺されたり、ふざけているようにしか見えない。良い意味で。

アニメーションとしては「ニンジャスレイヤーフロムアニメイシヨン」路線でクオリティーは高くないが、作風に合いまくっている。
特筆すべきは豪華男性声優陣で、速水奨氏、千葉繁氏、関智一氏、山寺宏一氏が3話ずつ交代で登場キャラ全員を一人芝居する方式。
ベテラン声優の凄みを存分に堪能できる、速水氏は女性役ですら艶っぽくて驚かされる。
トリを務めた山寺氏の数十人一人芝居も凄まじい。

【悪い点】
ギャグコメディー特化なので、真面目なストーリー性皆無なのは特に欠点とは言えまい。
ただ、ギャグとはいえ真面目なスプラッターホラーでもあるので、苦手な人も多いであろう。

彼岸島ファンの内輪ネタな側面が濃いため、彼岸島を知らないと分かりづらいネタが多いかも。

ベテラン声優の演技力は素晴らしいけれど、千葉繁氏は明と師匠の演じ分けに流石に無理があったような。笑えるからいいけれど。
声優一人芝居に拘らず、4声優が各々演じ分けていればなお良かった気が。

【総合評価】7点
彼岸島のネタ漫画としての側面を愛好する視聴者ならば、満足感が高いショートコメディー。声優アニメとしても逸品。
評価は内輪のおふざけギャグに特化し過ぎている故に絶賛はしづらい「良い」
心情的にはとても良い付けたいくらい好き。