ヘンゼル さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
主人公ナツキスバルの魅力
最新の聖域編までを視聴済み。
いやー、エミリアもレムもラムも皆好きなんだけどさ。
結局、主人公が良くなきゃどんな物語も面白さが半減しちゃうっていうのが最近分かってさ。
というわけで、ナツキスバルのこんな所が良かったなーってところを書きたいと思いますね。
まずですね、ナツキスバルさん。正直イタイ奴です。痛い奴と言っても犯罪をネットに挙げて承認欲求を満たしているようなバカとは全然違います。
彼が何故イタイのか、と申し上げますと、不自然に会話を盛り上げようとするところなんですよ。例えば「今日天気いいね」って言ったとしたら「君の笑顔みたいに燦々と照らされてるぜイエーイ!」と返されるような。
普通、そんな返し方をしないじゃないですか。大体、会話はキャッチボールとよく言いますよね。彼は1のボールを10倍にしてバッティングマシンで返してくるような感じなんですよ。
そんな言動が多いんで、クラスメイトからハブられて不登校になった感じなのも納得です。逆に言えば、登場人物は皆寛容ですよ。まあ、ロズワールもレムもラムもベアトリスも変な感じで喋るんで、リゼロの異世界人はそういう輩に慣れている節はありそうですけどね。エミリア、すげえよ。
そんなイタイ性格のナツキスバルさんですが、実際、物語のテイスト上めちゃめちゃマッチしてるんですよ。
本作に出てくる主人公だけに与えられた「死に戻り」の能力は、死んだらある時点まで意識だけを持っていてやり直せるっていう能力で、それ以外はなにもないから頭脳や人脈で戦うしかない。
戦闘で困難な場所はあらかじめ強い人物を。死を回避するためにどうしたらいいか考えなければならない。
でも「俺は死に戻ってるから俺を信用しろ」と言えばある程度信用して動いてくれるかもしれないじゃないですか。でもそうは問屋は卸さない。「死に戻っている事を伝えれば、聞いた人間は皆死ぬ」という制約があるので、主人公は死に戻っている事を誰にも言えず、気丈に振舞いながらも、死を回避するために動かなければならないんですよ。
それってつまり、無理して笑っているのを許容しろという事なんです。そうですナツキさん。結構無理して明るく振舞ってたりするんですよ。そして普段もその調子だから「なんかテンションおかしくない?」と言われることもない・・・。性格でめちゃくちゃ損をしてるんです、スバルくんは!
レムさんが聞いたら抱きしめてあげます案件ですよ。
というわけで物語の性質上、スバルくんはいじめられてます。こんなキャラ考えた作者、人の心とかないんか?