てとてと さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
大真面目にB級アクションやったネタアニメ。こういう駄作もアリって事だ!
天野喜孝氏をはじめ名だたるクリエイターが集った、空前絶後のク〇アニメ。
※作品データベース様より転載。かなり絶賛レビュー。
【良い点】
謎ウイルスで人間が怪物化した崩壊世界で、タイムスリップしたサムライやニンジャが暴れるという、良くも悪くもB級なノリ。
頭悪い設定ではあるがそういうB級もアリってことだ!
明らかに不自然な刀や必殺仕事人のワイヤー切断技の破壊力など、リアリティーなぞ知るか!な潔い娯楽アクションに徹しているのは好感持てる。
「虫籠のカガステル」みたいなハード世界観と、裏腹のB級アクション、大真面目にやってるのに笑えるタイプ。
決して良い点では無いけれど、全編に渡り茶番めいているため、ジビエの脅威感や悲劇感などの負の印象が薄い。
人物描写も話の展開も極めていい加減だが、召喚されたサムライたちが超速理解で順応する等やたらテンポは良い。
かと思いきやビデオメッセージなどの無駄な演出や、明らかにおかしい尺の配分などなど、全編に渡りツッコミ所に事欠かない。
良くも悪くも(いや真面目に見れば明らかに悪いが)常に予想の斜め下の展開で飽きさせなかった。
主要キャラはそこそこキャラが立っている。
ストイックなサムライの千水、剽軽なニンジャの兼六、可愛いけどあんまり役に立たないキャスリーン、シャアボイスな博士、
強面だが恋に奥手な僧兵の雪之丞などなど、キャラ間の交流や雰囲気は良好で見ていて楽しい。
テンポの悪い過去回想パートも(無理矢理好意的に見れば)キャラの掘り下げにはなっていた、ついでに真面目なネタにも。
中盤からのヤクザ組も場違い間ハンパ無いがネタ的に存在感自体が面白い。
ヤクザ組のキャラが無駄に良いのが、ネタアニメ感を助長させていた。
決して良い点ではないが、バトルシーンの演出が酷すぎて、シュールなギャグシーンと化している。
場面とキャラの動きと演出がズレているというか、大まじめにやっていても終始(そうはならんやろ…)な珍場面の連続。
これに不自然な効果音や顔ドアップなどの無駄な演出過多、シリアスな場面でもふざけているようにしか見えない。
特に11話で娘がジビエ化してしまった親分の顔ドアップ(効果音カーン!)しつこく繰り返すシーンは爆笑してしまった…
いや、愛娘が怪物化して部下を皆殺しにしちゃう悲劇的場面のはずなんだけど。
終盤シャアもといヨシナガ博士の唐突な真相明かしも、力技過ぎて一周回って面白かった。
無茶苦茶な理屈ながら投げっぱなしにせず一応説明はしてくれたのでまぁ良し。
色々とツッコミ所だらけなヨシナガ博士の言動行動それ自体も茶番の極み、正直面白かった。
ラストは雑ながら一応は王道的な纏め方で、そんなに悪くはないような。
キャラデザやジビエのB級なデザインは良かった。
OPの三味線曲も良し。
【悪い点】
……無理矢理良い点に挙げた要素のほぼ全てが真面目に評価すれば最悪と評すべき。
アニメーションとしての演出や脚本の拙さは他論客の方々が論じておられる通り。
ただ自分はそこをネタアニメとして笑ってみていたので、あえて目を瞑る。
不真面目なネタアニメ愛好家としての視点だと、中盤がネタ的にも中だるみ気味。
瞬間風速的に笑えるシーンは多いが、全編にわたって笑えるかというとそうでもなく。
どうでもよいキャラの回想掘り下げに無駄に尺浪費が多く、ここら辺はネタアニメとして見てもつまらない。
本作で一番残念だったのは、ニコニコ動画の無料枠ではなかった点であろう。
明らかにニコ動向けのネタアニメとして逸材だっただけに勿体ない。
【総合評価】7点
令和初頭に登場した、類稀なるク〇アニメ。
作品の出来を真面目に論じるならば最悪かとても悪いが妥当なんだけど、正直超面白かった…
自分の評価基準は「自分が視聴して楽しめたか否か」を最重視する故、不真面目で申し訳ないが「良い」とさせて頂く。
「チャージマン研」などど比較すると中盤のテンポが悪く、流石にそのレベルのネタアニメには及ばぬと見て、とても良い評価は控える。
一口に駄作といっても主に3タイプある。
「けものフレンズ2」や「日本沈没2020」のような視聴に不快感が伴うタイプが一番嫌い。
「デスマーチから始まる異世界狂想曲」「社長バトルの時間です」のような、著しく不快では無いが面白味も乏しいタイプはまだマシ。
「百練の覇王」や「俺が好きなのは妹だけど妹じゃない」や本作のような、愛すべきク〇アニメは欠点だらけでも大好き。