ヘンゼル さんの感想・評価
2.9
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
小説をアニメにする苦労と難しさ
第4話まで視聴済み。
第3話で切ろうと思いましたが第4話で改めて切ろうと決めました。
率直に申し上げますと、既に成功例があった漫画版のスパイ教室をなぜ、アニメで模倣しなかったのか。これに尽きます。
スパイ教室の原作は元々ファンタジア文庫より出版されているライトノベルで、第32回ファンタジア文庫の大賞に輝いた大変実力のある作品です。
最近まで放送されていたスパイファミリーや数年前に週刊少年ジャンプの看板作品でもあった暗殺教室と比較されがちですが、アニメを通して見てみると全くもって似て非なる作品でありました。
原作は読んだことはありませんが、第3話までの内容が原作の流れを大規模に端折りながらも、大まかなストーリーは大体掴めました。
「凄腕の先生の技術を模倣し、時には力を借り、同じ落ちこぼれのスパイたちと切磋琢磨し成長しあいながら不可能任務に挑む」
これらを踏まえたうえで何がいけなかったのか。
キャラクターの出し方です。
漫画版では各個人のキャラクターの掘り下げや説明がなされていたのにも関わらず、アニメ版では馬鹿正直に原作の再現をしています。
第一話にてピックアップされた花園だけがミッションをこなすだけの物語でしたらそれも通用したかもしれませんが、主要なキャラ全員がミッションに参加するという流れではありませんか。
ヨルムンガンドやブラックラグーンといった作品は、キャラの説明は最低限でしたが、しかし、本作品では叙述トリックをしなければならない以上、幻の八人目を第一部のクライマックスに持っていく以上、上記に挙げた作品の模倣をしてはならないというのは分かるはずです。
なぜなら、「いや他のキャラもほとんど説明が無いのにいきなりぽっと出のキャラが現れたぞ」という冷めた目で見られるからです。
脚本家もそうですが、売り上げでしっかりと実績のあった漫画版を参考にしないというのは、マーケティングをしっかりしていない製作委員会にも問題があるのではないかと思えてきます。
小説をアニメにするというのはきっと大変な作業、労力、時間とお金がかかるのは間違いないでしょうが、本作は原作というアニメにしづらかった内容の答えとして、漫画版が用意されており、正直、楽が出来た作品です。漫画版をお描きになった作者様は、スパイ教室という作品に対して造詣と見せ方が上手く、本作品の製作委員会よりも遥かにクリエイターとして凄いというのは言うまでもないでしょう。
正直期待していた作品なだけあって、とても残念です。