ヘンゼル さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ヱヴァの呪縛からの解放
もうかなーり前に観た作品なのでうろ覚え。ただ、めちゃめちゃ面白かったのは覚えてる。
特に前半の村でのやり取りは、ヱヴァのあの「不安定だけどどこか居心地がいい」というまさに母親の胎内のような空気感がとても良かった。
クローンの綾波と、ヱヴァの呪縛で人間を半分辞めているアスカ、前作のQで渚カヲルを失い、自暴自棄になるシンジ。
それぞれが村で過ごし、そして大切な何かを得たり、気づいたり、思い出したりする。
中盤から後半はもう圧倒的な芸術やセンスに飲み込まれるような体験だった。劇場版ヱヴァンゲリオンが張り巡らした伏線に対する種明かしや、碇親子の決着を見られて、全三部作を予め予習し考察動画も沢山視聴した私にとって、とても満足する作品だった。
しかし、ヱヴァの弱点はその敷居の高さと、意味不明な箇所に公式からは殆ど説明が無い点である。
やはり本作もその例に漏れず、私は考察動画や解説動画を見てようやく本作品の全体を知れた(ような気がする)。
そういう不親切さも相まって、アニメ初心者やヱヴァそのものを知らない人にとっては少なくとも、劇場版の序からQまで、六時間以上観てからようやく観られるような敷居の高さはやはり欠点であるなと感じた。
まあこれはシリーズもの全てに言える弱点ではあるけど。
本作品は劇場版ヱヴァンゲリオンの最終章を描いており、終わり方はどうであるか気になると思うが、個人の感想だと「綺麗にまとめられたな」である感じなので、不完全燃焼には多分ならないと思う。ので安心してほしい。
作画も音楽も声優もストーリーのどれをとっても、劇場版に求められるクオリティ以上に素晴らしい出来であるため、自分の中で非常に心に残る作品となった。