Witch さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
カオスな1話展開も・・・半端ない熱量もコミカルさで融和。近年類を見ない傑作!!
【レビューNo.30】(初回登録:2023/2/11)
オリジナルアニメで2018年作品。全12話。
何かのオススメでお気に入り登録だけはしてたのだが、長い間放置してたんだよね。
ようやく重い腰を上げました。
(ストーリー・評価)
・カオスな1話。でも途中切り厳禁!
上述の通り視聴時は知識ゼロだった訳だが・・・
{netabare}
・龍により戦火で都市は壊滅状態の映像からイン→主人公・宗矢が目覚めてこれは夢?!
・次のシーンでゴスロリ少女(銀子)と猫の着ぐるみっぽい生物(先生)と共に朝食→??
・今度はゆるキャラのような巨大飛行物体(ネビュラウェポン)が来襲。
戦闘機とシュールな戦闘→????
{/netabare}
ここまで10分足らずですが、思わずここで動画を止めましたwww
「俺は何を観せられているんだ?? 観る作品を間違えたのか?」
ここで他の方のレビューを確認すると軒並み高評価。やはり間違っていないようだ、視聴再開。
しかしその後もカオスな展開が続きます。
{netabare}
・ヒーロー風の7人(グランドパラディン)が現れ、(グレンラガン風?)ロボットっぽいもの
に変身して戦闘?!。→ネビュラウェポン撃退!地球は救われた!!
・最後に宗矢がロボット合体して、なんとグランドパラディン側を襲撃!→はあっっっっ?!
{/netabare}
こんな感じで1話は「(グレンラガン風?)ロボット大戦モノ?!」ってのが分かる程度ですね。
でも心配無用。2,3話でこの作品の世界観がきちんと明かされていきます。
{netabare}
・龍の力で地球人がサイキック能力に目覚める。しかしそれは暴走し地球の破滅を招く恐れあり。
(グランドパラディンはその力を利用。そして宗矢はシリウス星人で、彼の星はその力で滅亡)
・宇宙政府ネビュラはその事態を避けるために活動。しかし2つの派閥に分裂中。
・封印派:地球人がこれ以上進化しないように封印を図る→ネビュラウェポンでの襲撃
・穏健派:力だけを取り上げて事態の収拾を図る→先生や宗矢たち
(だからグランドパラディン側を襲撃してその力の源(小瓶)を奪った)
{netabare}これをまた先生(猫)と犬の着ぐるみ生物の討議というシュールな画で説明するというwww{/netabare}{/netabare}
・~誰もがそれぞれ正義の中で正義を見失う♪~完璧な世界はないのに♪~
上述はEDの歌詞の一部ですが、この作品のテーマは「それぞれの立場での正義」ですね。
{netabare}
・上述の通り宇宙政府ネビュラは、地球を守るという彼らの「正義」に基づいて行動しています。
ただ思想の違いから「穏健派」と「封印派」に分かれているだけで・・・
・そして地球人もグランドパラディンのトップは、「この力で地球を統一することこそ、国家間
紛争を抑止する最善の道」という自分の「正義」を持っています。
・更にグランドパラディン7人に中にもそれぞれの思いがあり、驚きの行動に出るメンバーも現れ
ます。でも彼らの「正義」も共感できる部分があり・・・
{/netabare}
この辺りはきちんと各キャラを深掘りして、各キャラに思い入れ出来るようしっかり物語が構成
されています。それぞれの「正義」をぶつけあい・・・ってこれだけでこの作品は終わらない!
最後の仕掛けも用意されていて、視聴者からすれば3作品位のストーリーをぶち込まれた中身の
濃い熱い展開を見せられます。それでいて全12話で綺麗に終わるいうかなり練られた作品です。
・熱いながらもコミカルなバトルシーン
この作品の見せ場となるロボット同士のバトルシーンですが、3DCGのスピード感ある動きを活用し
つつも、3DCGの軽さを感じさせない作画の演出でパンチなどには重さを感じる工夫がなされており、
かなり見応えがあり、カッコよさがあります。でもカッコよさだけでなくメカデザインに見合う
コミカルさも忘れない、この辺りのバランスが素晴らしいです。
漫画家・水上悟志先生の1000Pを越えるネームが原作らしいのですが、率直な感想として
・グレンラガン(ガイナックス/2007年作品)
・キルラキル(トリガー/2013年作品)
辺りに傾倒していた方なのかと思ったのですが、(大コケしましたが)2005年から「惑星のさみだれ」
の執筆開始等直接的な影響は受けていないようですね。(制作会社もJ.C.STAFFですし)
でも本作制作において、上述作品を全く意識していないといったら嘘になるでしょう!テイスト的に
は上述作品好きには刺さる熱量半端ない作品です。でもその熱量をコミカルさで上手く融和しており
、上述作品よりはある意味一般ウケし視聴しやすい作品に仕上げている点に、制作陣の技量の高さを
感じ取ることができます。
(テーマとしては重い題材を扱っているが、視聴者に重荷のようなものを感じさせない)
何というか「アニメって楽しい!」って素直に思える、近年類を見ない傑作だったなっと。
(まあ近年といっても4,5年程前になるんですがw)
OPEDもこの作品にぴったりのアニソン感バリバリで高評価。
個人的には、しょこたんの「空色デイズ」(グレンラガン)を意識してるように感じたかな。