シボ さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
心に残る、思い出に残る作品でした。
人間とギフティアと呼ばれるアンドロイドが共存する世界。
その導入1話目から泣いてしまった~。
9年少しで寿命となってしまうギフティア。
回収されるべきギフティアは、もうすでにその持ち主との関係が
家族と同等、別れが決まっている分家族以上といっていいくらいの
絆があります。
第1話でのおばあさんと、ギフティアの少女の別れからにして
もうやられちゃいました。
自分がいなくなった後のおばあさんの未来を心から心配する彼女の
気持ち。
そんな彼女の心を知って、寂しくて別れを拒むのは独りよがりの考えだって別れを決意するおばあさん。
存在が消去される直前までおばあさんを気遣う少女の涙。
優しすぎる心を持つまんま人間のような姿にすでに泣けてしまいます。
人間以上に人間らしさ、優しい心を持つ
ギフティアを回収するのをギフティアが行うって設定。こんなの
もう切なさ増し増しなんです~~><!
回収業務は思い出を切り裂く仕事。
思い出なんて要らないって言うアイラ。
数々の別れを目の当たりにしてきた彼女の悲し気な姿。
そんな悲し気なアイラの表情が印象的だし心持ってかれてます。
そのギャップで普段、想像を超えるポンコツ具合が可愛すぎますね。
序盤、早々にアイラの残り時間(寿命)が分かります。
あと~時間って知らされた数秒後、もう数ヶ月しかないって理解すると同時にその思わぬ短さに一気に感情持ってかれちゃうんです。
こんな切ないリミットがある展開・・・ずるいです。
別れが辛くならないように距離を取ろうとするアイラでしたけど
パートナーとしてツカサと行動を共にするうちにツカサの本当の
優しさに触れるうちに徐々に心を開いていきます。
お互いの気持ち、絆が深くなるにつれてこの
時間制限の関係が何とも胸を締めあげます。
打ち上げ花火の回は泣いたな~~。
ツカサを苦しめたくないアイラの涙、別れの言葉。
そんなアイラを抱きしめての告白。
いや~こんな切ないシーン、泣かずにはいられません。
その後の「無理です~~」チ~ン。で落としてくれるのは、
いかにもポンコツなアイラらしいし、この作品ならではなんでしょうけどね。(あ~~さっきの涙を返して~・・・)
アイラ、ツカサはもちろんなんですけど
この作品、人間、ギフティアそれぞれ優しいキャラに溢れてました。
世話焼き娘のミチル。オフのメガネ姿可愛いんだな~。
ザックにからかわれながらも誰かのために常に一生懸命。
もしかしてアイラの恋敵になるかもって思ってたら全力で二人の恋を
応援する姿になんて良い子なんだって好きになっちゃいました。
そんなミチルを導いたカヅキも強烈な姉さんキャラですね。
アイラに対しての愛するが故に距離を取る姿、どこか寂しさを感じる
姿が印象的でした。
そして仕事仲間のギフティア達も常に自分との比較、葛藤って
あるよねって思うんだけど、仲間であるアイラやツカサを心底気遣う姿が好感でした。
物語は後半、避けられない運命へ向けて容赦なく展開していきます。
OPは佐々木恵梨「Ring of Fortune」
最初はそうでもなかったんですけど
話数が進むにつれて心に残る素敵な楽曲だなって思いました。
思い出となっていくギフティア達の後姿、それが誰だか分かっていく演出、アイラの寂しげな表情も相まって聞いてて切なくなります。
ED 今井麻美「朝焼けのスターマイン」
こちらも話数が進むにつれて心に沁みる暖かい曲でした。
終盤は何度この曲で泣かされたことか・・・・。
あの時の言葉は?ツカサはアイラに尋ねます。
その時初めて
回収する際に耳打ちしてたアイラの言葉が分かります。
「大切な人といつかまた巡り合えますように・・・」
何を言ってるんだろうって自分も気になってたその言葉。
別れを運命づけれらたギフティア達だからこそ、その先を信じて
掛け合うその言葉が心に響きます。
アイラ回収日の遊園地での1日。
最後に乗った観覧車でツカサはこらえきれなくなって涙します。
「泣き顔はじめて見せてくれたね。ずっと我慢してきたんだもんね」
ツカサはもっと、もっと泣いていたと思ってたけどアイラの前では
いつも笑ってたんですよね。
思った以上にツカサは強い子だったんだなって思い知ります。
(ぴ~ぴ~涙止まらない私なんて弱すぎなんです~~~><!)
最終話を観終わった後の喪失感が凄いです。
でもツカサの前を向く姿が見られたので良かったのかな。
愛すべき人とのいつかの別れはギフティアだけでなく有限の命である
人間も一緒です。
でも別れがあるから、辛いからって思い出なんていらないとは
なっちゃいけないんですよね。
別れがあるからこそ今が、一緒にいれる瞬間が大事なんだよって。
そんな身近な大切な人との
思い出をもっと、もっと大切に感じなきゃって思わせてくれる
素敵な作品でした。